機械移植用夏まきハクサイセル苗に対する移植直前の液肥施用効果

タイトル 機械移植用夏まきハクサイセル苗に対する移植直前の液肥施用効果
担当機関 和歌山県農業試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者 西森裕夫(現有田普及センター)
平田滋
藪野佳寿郎
発行年度 1997
要約 機械移植用夏まきハクサイセル苗は、コンパクトな草姿にするために施肥量を制限すると、窒素含量が低下し定植後の初期生育が劣る。このような苗は定植1~2日前に2~3回液肥施用すると、定植時の草姿は小さいまま初期生育が向上する。
背景・ねらい  ハクサイ産地では省力化を図るため、セル苗を利用した移植機の導入が進んでいる。しかし、徒長しやすい高温期の育苗となる夏まき栽培では、機械適性のうえから苗の大きさの維持(移植機メーカー推奨草丈5~7cm)が大きな課題である。多くの農家は、施肥量を制限してコンパクトな草姿に育苗している。ここではこのように育苗された、乾物率の高い、窒素含有率が低下した夏まきハクサイのセル苗に対する移植直前の液肥施用について、初期生育促進効果から検討した。
成果の内容・特徴
  1. 夏まきハクサイセル苗は徒長しやすいため施肥量を制限して苗の移植適期(18~20日)が過ぎても草丈等の機械適性を失わないようにしていた。この場合のセル苗は窒素含量が低く、初期生育が劣る。また、その傾向は育苗日数と共に強くなる(表1)。
  2. 被覆肥料の基肥のみで、窒素施用量を制限し育苗した後、移植前に 200倍の液肥を施用すると、液肥施用回数に比例して移植時セル苗の草丈、苗重及び窒素含量が増加する。しかし、液肥施用が移植直前の1~2日前からの2~3回の液肥施用であれば、機械適性から見た草姿を維持できる(表2)。
  3. 移植適期を過ぎた25日苗に対し、移植1~2日前に200倍の液肥を2~3回施用すると、ほ場での初期生育が向上し、生育は安定する。しかし、移植4日前からの液肥5回施用では、移植直後外葉の葉縁に壊死が発生し、収穫前の重量増加率は低くなる(表3)。

成果の活用面・留意点
  1. 露地栽培での移植は天候に左右されるが、本施肥法により従来よりセル苗の移植適期を拡大することが可能となり、天気予報に基づく移植日の設定が容易になる。
  2. この成果はセル苗の徒長が著しい夏まき葉菜類に適用する。

図表1 210447-1.gif
図表2 210447-2.gif
図表3 210447-3.gif
カテゴリ 肥料 育苗 栽培技術 省力化 施肥 はくさい

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