アスコルビン酸で還元処理した土壌による水田土壌の可給態リン酸の診断法

タイトル アスコルビン酸で還元処理した土壌による水田土壌の可給態リン酸の診断法
担当機関 滋賀県農業試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者 上沢正志(農業研究センター)
長谷川清善
武久邦彦
発行年度 1997
要約 アスコルビン酸で還元処理した土壌のトルオーグリン酸含量は、湛水培養土壌のトルオーグリン酸含量と正の相関関係を示し、水田土壌の可給態リン酸の迅速、簡易な診断法として有効である。
背景・ねらい  環境調和型農業を推進する一環として、土壌の可給態リン酸含量に基づく土づくり、施肥の調節が重要である。水稲栽培期間中には、土壌の還元化にともない可給態リン酸含量が増加するので、水田土壌の可給態リン酸は、還元処理した土壌で評価する必要がある。湛水培養には時間を要するので、還元処理法としてアスコルビン酸で迅速に還元処理した土壌を用いる簡易診断法を開発する。
成果の内容・特徴
  1. 風乾土のトルオーグリン酸含量と湛水培養した土壌(風乾土を30℃35日間湛水培養)のトルオーグリン酸含量との間には、土壌タイプ毎に正の相関関係が認められるが、相関係数は低く、風乾土のトルオーグリン酸含量により水田土壌の可給態リン酸を診断するのは難しい(図1)。
  2. アスコルビン酸での還元処理は、風乾土1gにアスコルビン酸水溶液(10gL-1 )10mLを加え、室温で16時間連続振とうする。振とう後、トルオーグ抽出液190mLを加えて、30分間振とうし、抽出液可溶のリン酸を定量する。
  3. アスコルビン酸で還元処理した土壌および湛水培養土壌のトルオーグリン酸含量の間には、正の相関関係が認められ、土壌タイプ別に両者の関係をみると、相関係数が向上する(図2)。
  4. この方法は、土壌を湛水培養する方法と比べて、迅速性、簡易性において優れ、水田土壌の可給態リン酸診断法として有効である。

成果の活用面・留意点  アスコルビン酸で還元処理した土壌のトルオーグリン酸含量と圃場での水稲のリン酸吸収量との関係を整理することが必要である。
図表1 210454-1.gif
図表2 210454-2.gif
カテゴリ 土づくり 肥料 簡易診断 水田 水稲 施肥

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