踏圧時期が小麦の生育、収量に及ぼす影響

タイトル 踏圧時期が小麦の生育、収量に及ぼす影響
担当機関 山口県農業試験場
研究期間 1994~1996
研究担当者 中司祐典
藤岡正美
発行年度 1997
要約 暖冬や早播きにより、早生小麦品種「ダイチノミノリ」の生育が進んだ場合には、主茎の節間長5㎝程度から踏圧を2回程度行うことにより節間の伸長が抑制され、収量が安定し、倒伏に強くなる。
背景・ねらい  小麦の生産安定のためには、冬期の生育量確保や入梅前の収穫が重要で、早播きや早生品種の導入は有効な手段であるものの、暖冬年には凍霜害が発生しやすい。このような栽培では踏圧が重要な管理技術であるが、暖冬年には播性の低い早生品種は節間伸長開始時期が非常に早く、踏圧時期の指導を行う上で、暦日と生育ステージの進度が必ずしも合わず、適切な管理基準の策定が求められている。
成果の内容・特徴  ダイチノミノリを10月24日~11月15日に播種し、以下の成果を得た。
  1. 踏圧による節間伸長抑制効果は、主茎の節間長が1㎝になるまでに4~5回行う従来の方法よりも、1㎝を超えてから2~3回行う方が効果が高い。
  2. 収量は踏圧により並~やや多くなり、特に節間長5㎝程度から2~3回行うと、1穂粒数や穂数の増加により安定して多収となる。
  3. 節間長5㎝程度から行う踏圧の節間伸長抑制効果や増収効果は、生育が早く、2月中旬までに主茎の節間長が1㎝を超えるような場合に顕著である。
  4. 踏圧には倒伏軽減効果がある。特に節間長5㎝程度以降の踏圧は稈基部が匍匐し、草高が低くなって、ある程度以上には倒伏が増大しにくくなる。
成果の活用面・留意点
  1. 節間伸長期の踏圧は伸長の早い稈の挫折、損傷とそれに伴なう幼穂枯死を生じるため、分げつ茎まで傷め補償作用が期待できない3月中旬以降には行わない。
  2. 節間伸長期の踏圧は稈基部を匍匐させ、倒伏には有効であるが、草高が低くなるので、湿害等で稈長が短くなる場合はコンバイン収穫に支障を来す恐れがある。
  3. 節間が1㎝から5㎝程度に伸長するには、1~2月では約30日、2~3月では約15日を要する。
  4. 気温が高いと節間伸長が急激に進むので、機を逸しないように注意する。
表1、表2、表3、表4 
図表1 210477-1.gif
図表2 210477-2.gif
図表3 210477-3.gif
図表4 210477-4.gif
カテゴリ 管理技術 小麦 湿害 播種 品種

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