水稲「滋賀60号」の湛水直播栽培適性

タイトル 水稲「滋賀60号」の湛水直播栽培適性
担当機関 滋賀県農業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 山田善彦
大場 功
中川淳也
鳥塚 智
発行年度 1997
要約 水稲「滋賀60号」は、湛水直播栽培において、「キヌヒカリ」、「日本晴」同様に苗立が安定しており、収量が高く良質である。また、短強稈で、倒伏抵抗性も大きく直播栽培適性が優れる。
背景・ねらい   稲作の省力・低コスト化あるいは作業・労力の分散化を図ることができる直播栽培においては、苗立の安定性、収量性、倒伏抵抗性などの直播適応性と良食味を兼ね備えた直播向きの品種育成が望まれている。そこで、本県育成の「滋賀60号」の湛水直播栽培適性について検討した。
成果の内容・特徴

  1. 圃場試験における「滋賀60号」の直播苗立性は、年次、作期等の異なる栽培条件下でも、本県で用いられている「キヌヒカリ」、「日本晴」と同等である(表1、2)。
    一方、恒温器を使用した「滋賀60号」の発芽率は、17℃処理区では「キヌヒカリ」、「日本晴」と同等であるが、極低温条件下(13℃)では発芽が遅い(図1)。
  2. 湛水直播栽培における「滋賀60号」は、「日本晴」に比べ出穂期は3日程度早く、成熟期は5日程度早い。また、「キヌヒカリ」と比べると出穂期は7日程度遅く、成熟期は10日程度遅い(表1、2)。
  3. 湛水直播栽培における「滋賀60号」の収量は、「キヌヒカリ」、「日本晴」に比べ高く、外観品質は同等で良質である(表1、2)。
  4. 湛水直播栽培における「滋賀60号」の白米タンパク含量は、「キヌヒカリ」と同等で、日本晴」より低い(表1、2)。また、アミロース含量も「日本晴」より低い(表1)。
  5. 直播栽培で問題となる倒伏はほとんど見られず、押し倒し抵抗性でみた転び型倒伏の抵抗性は「キヌヒカリ」、「日本晴」より大きく、優れた耐倒伏性を備えていると考えられる(表3)。品種特性として、穂発芽性は「極難」、いもち耐病性は「やや強」であり、いずれも「日本晴」に比べ明らかに優る。

成果の活用面・留意点
  1. 湛水直播栽培において苗立・収量・品質ともに安定しているが、極低温下での発芽が遅いため、5月以降の播種に適応する。

図表1 210479-1.gif
図表2 210479-2.gif
図表3 210479-3.gif
図表4 210479-4.gif
カテゴリ 栽培条件 直播栽培 水稲 抵抗性 低コスト 播種 品種 良食味

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