タイトル |
エダマメセル成型苗の機械移植栽培 |
担当機関 |
大阪府立農林技術センター |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
高浦裕司
森川信也
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発行年度 |
1997 |
要約 |
タイヤサイズを小さくした半自動移植機によるエダマメセル成型苗の機械移植は、手植えの3.0~4.4倍の能率で植付け姿勢も良好である。また、根鉢があるため植痛みも少なく、収量は慣行引抜き苗の手植えを上回る。
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背景・ねらい |
エダマメは収穫後の鮮度低下が著しく、軟弱野菜的な性質を有することから都市近郊における重要な転作作物であり、大阪府内においては粗生産額5位、作付け面積4位(平成8年度)の主要野菜である。エダマメ栽培において労力の要する移植作業の機械化については、府内のエダマメ産地に導入可能な移植機がないのが現状である。そこで、市販のセル成型苗移植機に簡単な改良を加え、エダマメ栽培への適応性を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- エダマメのセル育苗には128穴のセルトレイを使用し、ピートモスを主体にした培養土を用いる。また、種子の胎座痕(へそ)を横向きに揃えて播種すると発芽率及び揃いが向上する。
- 播種後10~12日で移植適期といわれる初生葉展開期となるが、エダマメセル成型苗の根鉢強度はキャベツ等に比べて弱く、特に根鉢上部が壊れやすい。全自動移植機ではセルトレイからの苗の抜取りが困難なため、オペレータが胚軸をつかんで苗を供給する半自動移植機がエダマメに適している(写真)。
- 半自動移植機のエダマメ用への改良点はタイヤサイズの変更だけで、前輪を3.00-8(φ40cm)から3.50-5(φ30cm)、後輪を4.00-7(φ40cm)から3.50-5(φ30cm)に小さくすることにより、慣行手植えと同等の20cm程度の株間設定が可能になる(写真)。
- 作業時の走行速度は0.13~0.17m/s、ほ場作業量は1.9~2.8a/hで手植えの3.0~4.4倍の能率である。植付け苗の状態は土壌・苗条件により異なるが、ほとんどがほぼ垂直に植付けられた正常植えで、移植後の手直しはほとんど必要としない(表1)。
- セル成型苗は根鉢があるため植痛みが少なく、収量は2年間の現地実証試験の結果では、慣行の引抜き苗の手植えを上回る(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- エダマメセル成型苗は、移植適期を過ぎると急激に徒長するため、悪天候等で作業できない場合は5℃程度の冷蔵庫で貯蔵すると、6日間程度移植時期を延ばせる。
- 高い作業精度を得るには、20mm以下の土塊の重量割合が80%以上の細かい砕土が必要で、かつ土壌が乾いている状態で作業を行う必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
育苗
えだまめ
機械化
キャベツ
播種
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