タイトル |
中山間地帯の耐雪型パイプハウスによるホウレンソウの年間8回穫り栽培体系 |
担当機関 |
鳥取県園芸試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
亀田 修二
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発行年度 |
1997 |
要約 |
中山間地帯における冬期無加温の耐雪型パイプハウスの周年利用体系としてホウレンソウを対象に、在ほ期間の短い移植栽培法を利用し、時期別適品種を組み合わせて連続作付けを行うと年間8作が可能となる。
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背景・ねらい |
鳥取県の中山間地帯では耐雪型パイプハウスの導入が急速に進んでいるが、冬期の利用実例が少ないため周年利用は行われていない。そこで、ホウレンソウの移植栽培法により、は種期別の適品種及び在ほ日数を明らかにし、連続作付けによる冬期無加温施設の周年利用体系を確立する。
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成果の内容・特徴 |
- 移植栽培を用いた場合の在ほ日数は短く、3月から8月にかけてのは種ではいずれも20日前後で、低温期でも75日程度である(図1)。
- 5月及び6月まきと1月及び2月まきでは抽苔が多発し、減収の要因となる。(図2)。
- 品種は、8月から5月まきはアクティブ、6月及び7月まきは抽苔や徒長による収量の低下を補うために、晩抽性のオリオン、サマーライダー及びアスリートが適する(図3)。
- 4月上旬のは種を起点に連続作付けを行うと、10月までの各月1回のは種と、12月~1月頃のは種を組み合わせた年間8作が可能である。各作期の間のほ場耕起や整地などに必要な期間は、一斉収穫により最低5日以上が確保できる(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 積雪地帯において、冬期間の余剰労力の有効利用と所得向上が期待できる。
- 育苗は、セル成型トレイ(288穴)に1穴1粒まきで、定植は2.5葉期前後に条間15cm、株間10~15cm程度の疎植とし、作業の効率化と高品質化につとめる。
- 堆肥などの土壌改良資材及び肥料は、1作目と5作目の作付け前に施用する。緩効性肥料(スーパーIBS222など、120日肥効タイプ)を4作当たりの窒素成分量で20kg/10a程度を目安に施用し、追肥労力の軽減を図る。
- 生育初期の立枯性病害は発生しにくいが、萎ちょう病などの発生を見たら、太陽熱消毒や他の品目との輪作を行うのが安全かつ効果的である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
育苗
栽培技術
栽培体系
中山間地域
土壌改良
品種
ほうれんそう
輪作
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