タイトル |
サンショウの台木用イヌザンショウの実生苗増殖法 |
担当機関 |
京都府農業総合研究所 |
研究期間 |
1996~1997 |
研究担当者 |
橋本典久
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発行年度 |
1997 |
要約 |
磨傷処理と水浸漬処理(5℃、1日間)によりイヌザンショウ種子を発芽させ、さらに幼苗にVA菌根菌を接種して生育促進することにより、イヌザンショウ実生苗の増殖が可能である。
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背景・ねらい |
サンショウの実とり栽培で栽培されているアサクラザンショウ(Zanthoxylum piperitum f. inerma )の種苗増殖は通常、接木で行われ、台木としてはサンショウの近縁種であるイヌザンショウ(Z. schinifolium )の実生苗が最適とされているが、その増殖法に関する研究事例は見当たらない。そこでイヌザンショウ実生苗の増殖法を開発するために、種子の発芽条件を解明すると共に、幼苗にVA菌根菌を接種して苗の生育促進を図ることを検討する。
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成果の内容・特徴 |
- イヌザンショウの種子(Mo-1系統、京都府北桑田郡美山町で採取、10月下旬)は、無処理では発芽しないが種皮に傷を付けると発芽することから、硬実種子であると考えられる。種子の予措としては、磨傷処理(乳鉢に種子を入れて乳棒で軽く掻き混ぜ、種皮に傷を付ける)が有効である(表1)。
- 磨傷処理した種子をシャーレ内の蒸留水に浸漬処理(5℃、1日間)すると、発芽率が高くなる(表2)。
- 本葉を展開した幼苗(発芽後1か月目)にVA菌根菌(Gigaspora margarita GS1411、セントラル硝子製)を接種すると、接種後3か月目のVA菌根菌接種苗の茎葉重、根重(生体重)は無接種苗に比べ、それぞれ約6.3倍、3.8倍となり、顕著な生育促進が見られる(表3)。
- VA菌根菌接種苗の圃場での活着は良好で、落葉後の接種苗の幹重、根重は無接種苗に比べ、それぞれ約2.3倍、2.1倍となり、圃場においても生育促進が見られる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 実用的な技術とするためにはさらに種子の発芽条件を調査し、発芽率を高める必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
さんしょう
台木
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