地下水位に対するホウレンソウの反応と水位上昇に伴う生育阻害の遮根シートによる防止効果

タイトル 地下水位に対するホウレンソウの反応と水位上昇に伴う生育阻害の遮根シートによる防止効果
担当機関 中国農業試験場
研究期間 1993~1997
研究担当者 荒木陽一
山田 盾(農研センター)
村上健二
濱野 恵(野菜茶試)
発行年度 1997
要約 ホウレンソウの生育、内部品質は地下水位の影響を受ける。栽培中期の地下水位の上昇による内部品質の変化は小さいが、生育は大きく阻害される。地下水位上昇による生育阻害は、上昇水面より上に遮根シートを埋設することにより防止できる。
背景・ねらい  米の生産調整に伴う転作野菜の作付面積が増加しており、各種野菜の適正地下水位が生育面から検討されているが、地下水位が内部品質に及ぼす影響は十分検討されていない。そこで、水田での作付面積の増加が著しいホウレンソウを対象に、栽培中期の地下水位上昇が生育ならびに内部品質に及ぼす影響を調査する。さらに、地下水位上昇に伴う生育阻害を防止するため、遮根シートの埋設による根域制限効果を埋設深を変えながら検討する。
成果の内容・特徴
  1. 地下水位が変動しない場合、ホウレンソウの生育は地下水位が低い方が旺盛となる。また、内部品質の糖ならびにアスコルビン酸含量は減少し、硝酸ならびにシュウ酸含量は増加する(表1)。
  2. 栽培中期に地下水位が10cm上昇すると、初期の地下水位が70cmと低くても生育は阻害される。内部品質には大きな変化はない(表1)。
  3. 遮根シート(ポリエステル)の埋設により、地下水位上昇に伴う生育阻害は防止される。内部品質には大きな変化はない(表2)。
  4. 地下水位が遮根シートより上の根域に達すると、生育は大きく阻害される。内部品質には大きな変化はない(表3)。

成果の活用面・留意点
  1. 本成果は秋の長雨、菜種梅雨、梅雨時等における地下水位の急激な上昇に適用できる。
  2. 灰色低地土での栽培中期の反応であり、土壌の種類や生育ステージによって影響は異なると思われる。
  3. 遮根シート埋設面の均平に留意し、明渠の併用が望ましい。

図表1 210521-1.gif
図表2 210521-2.gif
図表3 210521-3.gif
カテゴリ 水田 ほうれんそう

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