タイトル |
山野植物トウテイランの苗物としての栽培法 |
担当機関 |
島根農業試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
稲村博子
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発行年度 |
1997 |
要約 |
島根県に自生するトウテイランの発芽適温は10~15℃で、発芽には光が必要である。育苗用土はマサ土、ピートモス、パーライトの等量配合で生育が優れ、鉢上げ後は無加温で栽培すると、苗物としての園芸化が可能である。
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背景・ねらい |
本県には多くの山野植物が自生しており、そのうち数種については園芸化が可能と考えられるが、ほとんどが未活用のまま放置されているのが現状である。そこで、これら山野植物の活用方法及び栽培方法について検討し、地域特産物としての振興を図る。
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成果の内容・特徴 |
- トウテイラン(ゴマノハグサ科の宿根草)の自生地は、岩肌に崩積土が堆積した日照条件が良好な場所である。自生地の土壌は、pHは5.5前後、腐植含量は9%、ECは0.1ms/cm前後である。
- ハウス栽培では7月下旬から開花し、10月上旬~12月中旬に採種可能となる。採種後の種子は、4℃あるいは室温で乾燥貯蔵すると、1年間は発芽率が低下しない。
- 発芽適温は10~15℃で、発芽には光が必要である(表1)。
- 12~5月に播種する。用土はメトロミックス単用とし、288穴のセルトレイを用いる。子葉展葉後は窒素濃度300~500ppmの液肥を週1回施用する(表2)。播種後は最低気温が10℃以下にならないように管理する。
- 播種2か月後(本葉4枚程度)に9cmポットに鉢上げする。用土はマサ土、ピートモス、パーライトの等量配合とする(表3)。基肥には被覆複合肥料を用い、窒素として用土1リットル当たり0.5gを施用する(表4)。鉢上げ後は無加温で栽培する。
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成果の活用面・留意点 |
- 花付きの苗物は有利販売が期待できる。3月に播種すると9~10月に花付き苗(9cmポット)の出荷が可能となる。
- 鉢上げ後は無加温で管理すると開花率が高まる。
- 鉢上げ後のかん水は、マットによる底面給水法が省力的である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
育苗
乾燥
出荷調整
播種
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