ササユリ小球の肥大促進に及ぼす用土と養水分条件

タイトル ササユリ小球の肥大促進に及ぼす用土と養水分条件
担当機関 奈良県農業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 今村 有里
川岡 信吾
藤井 祐子
荒井 滋
佐々木 茂
前田 茂一
発行年度 1997
要約 ササユリ小球の養成には、 用土にピートモスを用い、pH4.8程度に保ち、液肥を施用する。用土の気相を多くすれば、根の生育が良くなり、小球が安定的に肥大し、 腐敗率が下がる。
背景・ねらい  西日本に自生しているササユリは、 姿や香りが良い貴重な山野植物資源であり、中山間花き生産の新産品としての利用が考えられる。既に組織培養や実生による小球の増殖が試みられ、一定の成果が得られているが、増殖された小球を開花可能な球に養成するための栽培条件については不明な点が多い。
 そこで、小球の肥大促進と生産の効率を高めるため、用土の種類と養水分条件を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 小球の重量は、 用土にピートモス、 川砂、 鹿沼土、 日向土を用いた順に重い。一方、根量は鹿沼土で多く、 気相が小さい川砂で少ない(表1)。
  2. 砂柱を用いて土壌水分を変えて試験したところ、本試験の範囲では水位が低く気相が多いほど小球の肥大は良好であり、30cm(pF1.48)で最も良い。水位が5cm(pF0.7)では、すべての子球が腐敗するが、同じ条件でも気相の多い日向土では腐敗は認められない(表2)。
  3. 肥料の種類と施肥量を変えたときの小球の肥大は、ロング(140日)のN100mg/リットル・用土についでハイポネックスのN100mg/リットル・用土が良い。また、小球の腐敗率は、 ロング(180日)のN200mg/リットル・用土とロング(140日)の100mg/リットル・用土の使用で高くなる(表3)。
  4. 用土のpHが低いほど小球の肥大は良く、pH4.8の用土を用いた場合、pH6.4の場合に比べ2倍以上に肥大する(表4)。

成果の活用面・留意点  以上の成果は、小球養成圃場の選定、土壌改良や施肥管理のための技術資料として活用できる。小球の肥大を良くするには、用土の保水性、排水性等の物理性やpHを考慮する必要があるが、一種類の用土では上述の条件を満たすのは難しいので、鉢栽培では排水層に日向土を用い、上層にピートモスを主とした用土を用いることで解決できる。
図表1 210535-1.gif
図表2 210535-2.gif
図表3 210535-3.gif
図表4 210535-4.gif
カテゴリ 肥料 栽培条件 施肥 中山間地域 土壌改良 排水性 ゆり

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