ササユリ球根の球周が開花に及ぼす影響

タイトル ササユリ球根の球周が開花に及ぼす影響
担当機関 和歌山県暖地園芸センター
研究期間 1997~1998
研究担当者 岡室秀作
宮本芳城
発行年度 1997
要約 紀伊半島に自生するササユリを組織培養により増殖し、1ないし2作養成した球根を定植することにより開花がみられる。その際、球周10cm以上の球根を用いることでより安定した開花が得られる。
背景・ねらい  ササユリは、中山間地域のふるさと産品としての利用を考える上で、安定した切り花生産が望まれている。そのため、紀伊半島に自生するササユリを組織培養により増殖し、1ないし2年養成した球根を用い、定植時のササユリ球根の大きさと開花の可能性の関係を明らかにし、安定した生産を目指す。
成果の内容・特徴
  1. ササユリ球根の球周と球重には相関係数0.978で正の相関がみられる(図1)。しかし、球重を測定するには断根しなければならないため、球根の大きさは球周を用いる。
  2. 紀伊半島に自生するササユリを組織培養により増殖し、得られた球根を1ないし2作養成した後、大きさ別に栽培した。その結果、8cm球根を定植した場合、その発蕾率は71.7%と低いが、10cm球根を定植することで96.6%、13cm球根を定植することで100%と、定植時の球周が大きいほど安定した開花が見られる(表1)。
  3. 定植時の球周が10.5~12.0cmの球根について、培養後1作養成した球根と2作養成した球根をそれぞれ1月定植の作型で栽培し比較した結果、両区において発芽率、開花率とも100%になる(表2)。
  4. ササユリの栽培において、定植時の球周が10cm以上の球根で安定した開花がみられる。また、球周12cm以上の球根では2輪咲きの個体もみられ(図1)、定植時の球根の球周は開花を予測する上での指標となる。

成果の活用面・留意点
  1. 紀伊半島に自生するササユリを組織培養により増殖した球根を用いた栽培において、定植時の球根の球周は開花を予測する上での指標となり、ササユリの産品化に利用できる。
  2. 産地間で開花球の指標となる球周に差が出ることが考えられる。

図表1 210537-1.gif
図表2 210537-2.gif
図表3 210537-3.gif
カテゴリ 栽培技術 中山間地域 ゆり

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