タイトル |
防蛾用黄色蛍光灯の照明が秋ギクの開花に及ぼす影響 |
担当機関 |
広島県立農業技術センター |
研究期間 |
1989~1989 |
研究担当者 |
石倉 聡
福島啓吾
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発行年度 |
1997 |
要約 |
防蛾用黄色蛍光灯による照明は、畝地表面の水平照度が 1 lx以上で秋ギク‘秀芳の力’に対して開花抑制効果がある。また、開花抑制効果は暗期中断よりも終夜照明の方が高く、在圃期間中継続して終夜照明すると 15 lx以上で開花に至らない。
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背景・ねらい |
オオタバコガやハスモンヨトウなどの農薬の効きにくい夜蛾類の防除法として、防蛾用黄色蛍光灯(1 lx以上の照度を保った終夜照明の有効性が報告されている)の導入が期待されているが、秋ギクの開花に及ぼす影響は明らかでない。そこで、照明が秋ギクの開花に及ぼす影響を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 電照用白熱電球は、380nm代後半から770nm代後半の広範囲にわたる波長を放つ。一方、防蛾用黄色蛍光灯は、夜蛾類の被害防止に最も有効とされる最大波長580nmを放つ(図1)。
- 防蛾用黄色蛍光灯(型式:ナショナル FL40S・Y-F)による照明は、畝地表面の水平照度が 1 lx以上で秋ギク‘秀芳の力’の開花を抑制する効果があり(データ省略)、その効果は電照用白熱電球より高い(図2)。
- 定植日からの到花日数は、畝地表面の水平照度が、暗期中断(22:00~2:00)で30 lx以上、終夜照明(18:00~6:00)では15 lx以上でほぼ一定の約90日になり、開花抑制効果は終夜照明の方が高い(図3)。
- 開花抑制効果は、終夜照明を栽培途中で打ち切る場合より、在圃期間中継続する方が高い。また、15 lx以上で継続すると定植日から100日経過後も‘秀芳の力’は開花しない(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 防蛾用黄色蛍光灯は、開花調節を目的とする電照光源としても利用できるが、開花調節にこの型式を導入する場合は、コスト面に問題が残る(40Wー7灯/a、¥15,100/灯)。
- 開花抑制効果を必要としない時期には、防蛾効果のみ発揮させるような照明技術を開発する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
コスト
栽培技術
農薬
防除
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