乳酸菌添加による鶏ふんの排泄量低減と臭気抑制

タイトル 乳酸菌添加による鶏ふんの排泄量低減と臭気抑制
担当機関 滋賀県畜産技術振興センター
研究期間 1998~1998
研究担当者 渡辺千春
松嶋 修
土井真也
藤田 耕
発行年度 1998
要約 乳酸菌資材の飼料添加により粗蛋白質の蓄積率が向上し、鶏ふん中の窒素含有率が低減することから、鶏1羽当たりの窒素排泄量は約10%少なくなる。さらに、鶏ふんからのアンモニアの発生が減り、臭気が抑制される。
背景・ねらい  乳酸菌は腸内細菌のバランスを改善し、宿主に有益な影響を与える生菌添加剤として人では古くから利用されてきた。家畜に対しても、近年、乳酸菌を主体とした生菌添加剤が多く市販されるようになり、成長促進、飼料効率の改善および下痢の予防等を目的として利用する農家が増加している。
 本試験では、採卵鶏において、乳酸菌の飼料添加が、排泄ふん量の低減と臭気の抑制に及ぼす効果について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 乳酸菌は、Lactobacillus acidophillus(試験1区)と、Lactobacillus fermentum を主体とする市販乳酸菌資材(試験2区)を継代培養し、 109 CFU/mlの濃度に調製した菌液を重量比2%割合で、30日間、飼料に添加した。供試鶏は40週齢の産卵鶏で、6羽を1群とし、1試験区に4群を割り当てた。
  2. 乳酸菌の添加により、飼料摂取量当たりの乾物排泄量の割合は低減する傾向にある。特に試験2区では、排泄ふんの水分含有率が低下し、鶏ふん総排泄量は有意(P<0.05)に低減する(表1)。
  3. また、粗蛋白質の体内蓄積率が高まり、排泄ふん中の窒素成分含有率が低減することにより、窒素排泄量としてみた場合、対照区 100に対し、試験1区90.1、試験2区89.5と有意(P<0.05)に低減する(表2)。
  4. 排泄ふんの臭気は、低級脂肪酸系と硫黄系にはほとんど差はないが、試験2区ではアンモニアの発生が有意(P<0.05)に抑制され、臭気指数もやや低下する(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 乳酸菌の飼料添加は、鶏体内での飼料の利用性を高め排泄ふん量を減らすことから、飼料給与と鶏ふん処理に係るコストの削減が期待できる。
  2. 鶏ふん臭気の主成分はアンモニアであり、乳酸菌添加は窒素排泄量を減らし、臭気抑制にも効果がある。
  3. 乳酸菌はその種類により効果に差が見られるため、今後さらに菌種による差を検討する必要がある。
図表1 210565-1.gif
図表2 210565-2.gif
図表3 210565-3.gif
カテゴリ コスト 飼料効率

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる