タイトル |
乳酸菌製剤の添加によるブロイラーの休薬期間の延長 |
担当機関 |
京都府畜産研究所 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
松田誠一
衣川貞志
吉岡正行
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発行年度 |
1998 |
要約 |
ブロイラーの出荷5週間前から休薬飼料に乳酸菌製剤を添加すると、飼料消費量が増え、飼料要求率も悪くなるが、抗体価の上昇と遅延型皮膚過敏反応が顕著になり、免役能の活性化が認められる。
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背景・ねらい |
消費者の安全性に対する関心が高まる中で、抗菌性物質の使用を減らした飼養管理が求められている。このため、ブロイラーの腸内細菌叢を改善して、抗病性を高めることを目的とした生菌剤が開発されている。 そこで、抗菌性物質を使用しない休薬期間を5週間に設定し、この期間の乳酸菌製剤(乳酸菌+フラクトオリゴ糖)の添加が育成成績や抗病性に及ぼす効果について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 1月餌付けのブロイラー560羽をウィンドレス鶏舎で23日から56日齢まで、後期用飼料:An 、後期用飼料+乳酸菌製剤(0.1%):AL、後期仕上げ用飼料:Nn、後期仕上げ用飼料+乳酸菌製剤(0.1%):NLの4飼料で飼養した。
- 休薬期間を5週間とし乳酸菌製剤を添加すると、休薬期間1週間と比べて、育成率や8週齢時の体重に悪影響は認められないが、飼料消費量が増え、飼料要求率が有意に(3%)悪くなる(表1)。
- 乳酸菌製剤の添加により、免疫能の指標となるブルセラ死菌凝集抗体価が上昇し、遅延型皮膚過敏反応も強くなる傾向にある(図1、表2)。
- 糞中のコクシジウムオーシストは、休薬期間を長くすると出現が早まるが、乳酸菌製剤の添加によってオーシスト数は抑えられる(表3)。
- 以上のことから、飼育後期の乳酸菌製剤(0.1%)の添加によって免疫能が改善され、休薬期間延長の可能性が示唆される。
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成果の活用面・留意点 |
- 本技術は、中抜き出荷を行っている農家の休薬期間の延長に利用できる。
- ㎏ 当たりの飼料価格は、乳酸菌製剤0.1%の添加によって0.3円高くなる。
- 本試験は、冬期に行ったためコクシジウム症の発生が比較的少なかったが、発生が増加す る夏期では鶏舎の消毒等の衛生対策も大切である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
飼育技術
出荷調整
生菌剤
鶏
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