タイトル |
管理作業の省力化に適したビワの低樹高2段一文字整枝法 |
担当機関 |
兵庫県立淡路農業技術センター |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
水田泰徳
上谷安正
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発行年度 |
1998 |
要約 |
ビワを垣根状に仕立てる2段一文字整枝は、樹高を低く、樹冠をコンパクトに保つことにより、小型作業機の導入等が可能な作業道を確保できる。また、単位面積当たりの栽植本数増により早期多収が図れる。
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背景・ねらい |
ビワの園地は傾斜地に多く、樹も高くなるため、作業の能率が劣り、その危険性も高い。そこで、「長崎早生」(加温ハウス)を用い、低樹高で小型作業機の導入等省力化が可能な整枝法(2段一文字整枝)を試み、その生育状況や省力効果について検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 2段一文字整枝の仕立て方は、主幹から樹列方向に上下2本ずつ主枝を伸ばし、それぞれ高さ0.6mと1.6mの位置の支柱に誘引する。主枝は、弱らないように先端をやや上向きに誘引し、それらから側枝、結果枝を出す(図1)。
- 幼木期の樹高は対照の2段盃状形と差はないが、その後も約2mで維持できるので、樹齢の経過とともに対照との差が大きくなる。また、樹冠の長径は対照の整枝法と差はないが、短径は1.5m程度で収まるので、樹冠占有面積は対照の約50%(8年生時)となる(図2)。
- 樹間3.5m、樹列2.5mで栽植(114本/10a)した場合、自走式の小型防除機や運搬車等の通行が可能な約1.5mの作業道を確保できるとともに、慣行(3.5m×3.5m、82本/10a)の1.4倍の栽植本数が見込める。
- 1樹当たりの収量は2段盃状形と比べ劣るが、低樹高である1段盃状形とは大差がない。また、栽植本数を慣行の1.4倍とした場合、4~8年生時の累計収量は2段盃状形と比べ約10%、1段盃状形より約30%多くなる。(図3)。
- 果実品質に明らかな差はみられない(表1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 平坦から緩傾斜地、階段畑に導入が可能である。
- 定植前に、作業道部分を鎮圧し、樹列の植栽部のみ(幅約1m)深耕等土壌改良を施すと、根群域が制限され管理作業の省力化やシートマルチによる品質向上が可能となる。
- 慣行栽培と同様に、樹齢8年生頃から縮間伐が必要となる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
傾斜地
栽培技術
省力化
低樹高
土壌改良
びわ
防除
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