新病害スイカえそ斑点病における病原ウイルスの簡易診断法

タイトル 新病害スイカえそ斑点病における病原ウイルスの簡易診断法
担当機関 鳥取県園芸試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 佐古 勇
発行年度 1998
要約 近年、スイカ果実内部が異常となり商品価値のない果実が多くみられた。本病はメロンえそ斑点ウイルス(MNSV)に起因する新病害スイカえそ斑点病であり、病原ウイルスは迅速免疫ろ紙法(簡易RIPA法)で簡便に検出できる。
背景・ねらい  スイカに打音異常の果実が発生し、果実内部に黄褐色え死塊が認められ、果肉が水浸状、スポンジ状および空洞となる商品価値のない果実が多くみられた。その原因究明および防除対策に必要となるウイルス簡易診断法が要望された。
成果の内容・特徴
  1. スイカの果皮部に黄褐色え死塊を生じ、果肉部が水浸状になり、空洞化を伴う症状は、メロンえそ斑点ウイルス(MNSV)に起因することをわが国ではじめて明らかにし、本病を「スイカえそ斑点病」と新称することを提案した。
  2. 本病は内部果皮に黄褐色でスポンジ状のえそを伴うのを特徴としている(図1)。打音異常のあった果実のうち、症状の軽微な果肉では肉眼による診断は困難である。また、茎葉に症状が現れる頻度は低いので果実の的確な診断が重要である。
  3. 病原は土壌伝染性のウイルスである。発生圃場ではウリ類以外の作物を栽培することにより蔓延を防止する。スイカを連作する場合には土壌消毒による防除が必要であり、的確な診断が必要となる。
  4. 簡便な診断には、病原ウイルスに対する抗血清を作製し、リトマス試験紙のように植物汁液に専用のろ紙を浸すことによって、5分後にはウイルス感染の有無(陽性は小点が2つ、陰性は1つ)がわかる迅速免疫ろ紙法(簡易RIPA法)が利用できる(図2、図3)。
  5. 従来のウイルス抗血清を用いた診断法に比べて短時間に簡単な手順で診断が可能である(図3)。また、類似症状を示す他のウイルス病との判別が可能となる。

成果の活用面・留意点
  1. 今後、スイカに発生する類似症状を示す他のウイルス病の診断も含めて、生産現場での利用を予定している。
図表1 210618-1.gif
図表2 210618-2.gif
図表3 210618-3.gif
カテゴリ 病害虫 簡易診断 すいか 土壌消毒 防除

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