降雨を目安としたキク白さび病の減農薬防除

タイトル 降雨を目安としたキク白さび病の減農薬防除
担当機関 奈良県農業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 杉村輝彦
岡山健夫
西崎仁博
発行年度 1998
要約 降雨に基づいてキク白さび病の感染時期を推定し、キクの中位葉以上の葉表に7日以上の間隔で病斑抑制効果の高いDMI剤を散布すれば、慣行散布と同等の防除効果が認められ、薬量が約70%削減できる。
背景・ねらい  キク白さび病は20℃前後の気温と降雨により病勢が進展する。本病の防除は薬剤散布に依存しており、特にDMI剤が連用されている。薬剤防除はコストと労力を要し、薬剤の連用は耐性菌の発生を招く危険性がある。そこで、本圃において降雨後薬剤の葉表散布による減農薬防除を試みる。
成果の内容・特徴
  1. 無病徴感染した葉をDMI剤水溶液に浸漬すると、病斑形成が顕著に抑制できる(表1)。
  2. 本病に対して感受性の高い中位葉以上の葉にミクロブタニル剤3000倍希釈液を約10日間隔で散布すると,病勢の上位進展が抑制できる(図1)。
  3. 降雨により薬剤散布日を決定し、葉表のみに7日以上の間隔でDMI剤を散布する適期散布は、7日おきに葉の表裏にDMI剤を散布した慣行散布と比較してほぼ同等の防除効果が認められ、薬量は約70%削減できる(表2、図2)。なお,慣行散布の総使用薬量は7回で約3050リットル/10a,適期散布は5回で約900リットル/10aであった。

成果の活用面・留意点
  1. 初発生後は適温下では降雨日が感染日と推定でき、降雨日前後が防除適期となるので、秋キク以外の作型でも応用できる。
  2. 薬剤散布回数、薬量が軽減できるので、労力、コストともに負担の軽減となる。
  3. 降雨が連続する場合には適期散布でも7日間隔の散布が必要である。
  4. DMI剤の連用は耐性菌の発生を招くことがあるので、作用機作の異なる薬剤でローテーション散布を行う。
図表1 210623-1.gif
図表2 210623-2.gif
図表3 210623-3.gif
図表4 210623-4.gif
カテゴリ 病害虫 きく コスト 耐性菌 農薬 防除 薬剤

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