幼植物を用いたイタリアンライグラスいもち病による立枯れ抵抗性の検定法

タイトル 幼植物を用いたイタリアンライグラスいもち病による立枯れ抵抗性の検定法
担当機関 山口県農業試験場
研究期間 1998~2000
研究担当者 角田佳則
井上 興
発行年度 1998
要約 イタリアンライグラスいもち病に対する抵抗性検定法として、発芽直後の幼植物を用いた室内検定は、いもち病菌による立枯れ抵抗性の個体選抜にも有効である。また、生育期に接種する現行法と比較して検定時間を大幅に短縮できる。
背景・ねらい   イタリアンライグラスいもち病は、発芽直後に発生すると株が枯死するため被害が甚大である。現行の抵抗性検定では、2.5葉期以降に接種して選抜を行っているが、判定までに約1.5か月を要するため、より効率的な手法の確立が望まれている。そこで、より葉令の少ない幼植物を用い、試験管内で抵抗性検定を行う方法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 直径3cmの試験管の底に脱脂綿を充填し、滅菌後水を含ませたものにイタリアンライグラスを25粒播種し出芽させた後、いもち病菌の胞子懸濁液を滴下して湿室とし、25℃の陽光定温器内で生育させ2週間経過後に発病株数を調査する。この方法により、品種抵抗性の検定や抵抗性個体の選抜が可能である。接種する胞子の濃度は高い方が、接種時期は早いほど発病しやすいが、すべての種子が発芽する播種4日後に、104個/mlの胞子懸濁液を1試験管当たり1ml滴下するのが最適である(図1)。
  2. 市販30品種を用いて本方法と現行法を比較すると、発病程度の相関は低い。イタリアンライグラスで問題となる播種直後の立枯れに対する抵抗性は、現行法では確認できないため、育種を目的とする場合には、本方法を用いるのが適当と考えられる(図2)。
  3. 本方法を用いれば、生育期に接種する現行法に比べ、検定期間を約40日短縮できる。また、本方法を用いた後、さらに現行法を併用することによって、立枯れと葉の病斑形成の2つの症状に対する抵抗性個体を選抜できる(表1)。

成果の活用面・留意点
  1. 本方法はイタリアンライグラス育種において、いもち病による立枯れ抵抗性の検定に利用できるほか、抵抗性個体の選抜も可能である。
  2. 検定規模については、陽光下で湿室状態が保てれば、大型の容器を用いて一度に多数の個体の選抜も行うことができる。
図表1 210638-1.gif
図表2 210638-2.gif
図表3 210638-3.gif
カテゴリ 育種 イタリアンライグラス いもち病 抵抗性 抵抗性検定 播種 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる