米から抽出できる水溶性の新規糖質(仮称・粘性多糖)

タイトル 米から抽出できる水溶性の新規糖質(仮称・粘性多糖)
担当機関 中国農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 三枝貴代(現
小野田明彦
楠本憲一
堀野俊郎
発行年度 1998
要約 米は炊飯すると比較的短時間で軟らかくなり、粘質物(オネバ)を生成する。このオネバの主成分と見られる水溶性の物質を白色粉末として抽出・精製し、これが冷水に溶ける新規糖質であることを発見した。
背景・ねらい  穀類やイモ類の炭水化物(糖質)の大部分はデンプンであるが、そのデンプンは冷水に溶けないアミロペクチンとアミロースの2成分で構成されると考えられてきた。米は炊飯すると比較的短時間で軟らかくなり、特有の粘質物(オネバ)を生じるという性質がある。そこでこの米特有の炊飯物性に関与するとみられる未知の糖質の存在と化学特性を確かめるとともに、その抽出法および精製法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 主食用やもち用の米には冷水に溶ける新規糖質(仮称・粘性多糖)が存在しており、品種・栽培法・米粒内の部位などにもよるが約10~40%含まれている。インディカ米で約10%、ジャポニカうるち米で約15%、ジャポニカもち米で約40%など、アミロースが少ない米ほど多い(表1)。この新規糖質は育種操作によって低アミロース化された突然変異種においても原品種に比べて明らかに増える(表2)。
  2. 米を研削式精米装置で極微粉にして加水-抽出の後、エタノール沈殿法で白色固形物が得られる。これを口に含むとすみやかに溶ける。コムギやトウモロコシ等には少なく、米に特異的に多い。また多肥栽培の米より少肥で栽培した米に多い(表3)。
  3. 本物質は通常のデンプンとは異なり冷水にすばやく溶ける。加水量を加減するとガム状~水飴状~粘液状に変わる。加熱しても糊化しない。分子量基準物質のプルラン対比で数万~数百万に相当する多糖であるが、特異なものではなくて、結晶度の低い低分子の水溶性アミロペクチン的な物質らしい。ご飯のオネバの主成分はこの水溶性多糖とみられる。

成果の活用面・留意点
  1. 日本、米国、EUへ関係特許出願中(出願人=中国農業試験場長)。
  2. 製造には専用粉砕装置、エタノール回収装置、若干の経験等が必要である。 
  3. 本物質の特性や用途には、未解明・未開拓の部分が多く残されている。
図表1 210659-1.gif
図表2 210659-2.gif
図表3 210659-3.gif
カテゴリ 育種 とうもろこし 品種

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