タイトル |
畦畔雑草管理のための被覆資材 |
担当機関 |
京都府農業総合研究所 |
研究期間 |
1998~2001 |
研究担当者 |
大橋善之
静川幸明
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発行年度 |
1998 |
要約 |
遮光率が83%程度で網目の大きさが0.3~0.8㎜の被覆資材で畦畔を被覆すると、資材上に雑草が出現せず、また、資材下の雑草も枯死せずに抑草効果が認められるので、畦畔雑草管理資材として有効である。
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背景・ねらい |
畦畔管理の労力負担を軽減するためグランドカバープランツ、抑草剤等が検討されているが、初期管理労力や特定草種の優占などの問題から、決定的な解決策とはなっていない。そこで、雑草を枯死させずに生育を抑制し、畦畔を崩壊させない雑草管理技術を開発するため、遮光程度、網目の大きさ等の異なる数種の被覆資材を用いて、抑草効果を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 資材はポリオレフィン3層伸延溶着クロステープで、塩素を含まない素材である(表1)。
- 被覆資材の網目の大きさが1mm以上あれば、イヌタデ、スギナ、エノコログサ、ミチヤナギ等の雑草が資材上に抽出するが、0.3~0.8mmであればイネ科の細い葉の雑草(オオジシバリ等)も抽出しない(図1、表2)。
- 遮光率が約58~83%の範囲では、被覆資材下でも雑草は全面に生存している。資材下の雑草量は、遮光率が高くなるほど少なくなるが、遮光率83%以下では雑草の枯死は認められず、雑草種数等の多様性もほぼ維持される(図1、表2)。
- ヨモギ等の大型雑草についても遮光率83%のSL‐80で抑草効果が認められる(表2)。
- 抑草効果、資材上への雑草の抽出程度等から、SL-80が被覆資材として有効である。
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成果の活用面・留意点 |
- 被覆資材の畦畔への利用によって草刈り作業が不要となり、水田生産トータルとしての省力化が図れる。資材費は1㎡当たり約100円である。
- 供試資材は、少なくとも2年目までの耐久性が認められたが、長期及び踏みつけに対する耐久性については今後検討する必要がある。
- 環境保全や資材の後始末の面から自然分解性の資材について検索検討が必要である。また、農村景観という観点から黒、シルバー等の色は抵抗感があり、適当な色や質感について検討中である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
管理技術
畦畔管理
雑草
省力化
水田
よもぎ
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