鳥取県における水稲不耕起乾田直播栽培体系

タイトル 鳥取県における水稲不耕起乾田直播栽培体系
担当機関 鳥取県農業試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 福見尚哉
西尾博之
坂東悟
塩美津代
三谷誠次郎
長暉
発行年度 1998
要約 降雨の多い鳥取県に適する省力技術として、極早生~中生品種を用い、播種量5~6kg/10a、播種溝施肥、除草剤散布4回を基本とする不耕起乾田直播栽培体系を確立し、作業時間を移植栽培の約6割とすることができた。
背景・ねらい  降雨の多い山陰地域では、不耕起乾田直播栽培が播種作業の面での適応性が高い。当地域は播種~出芽時のほ場が湿潤であること、稲作期間の気温がやや低いこと、生育日数の短い早生品種の作付けが多いことなどの特徴があり、これら条件に適した不耕起乾田直播栽培体系を確立して、水稲作の省力・低コスト化に資する。
成果の内容・特徴
  1. 4月下旬~5月下旬に浸種籾を播種して、水稲本葉3~4葉期に入水する(図1)。播種様式は逆転溝切覆土方式とする。
  2. 不耕起乾田直播栽培では「おまちかね」などの中生品種が収量を得やすいが、極早生品種「ひとめぼれ」、早生品種「コシヒカリ」も栽培可能である(表1)。
  3. 苗立率は平均50%程度で、湿害により30%台に低下する場合もある(表2)。50本/㎡以上の苗立数を確保するために、播種量は乾籾換算で10aあたり5~6kgとする。
  4. 施肥は施肥効率の高い播種溝施用とし、播種時に行う(図1)。極早生・早生品種では100日タイプ、中生品種では140日タイプのリニア型被覆尿素を含む複合肥料を用いて、移植の標準施肥量の2割増を施用する。
  5. 除草剤散布は播種前茎葉処理(非選択性)→播種直後茎葉処理+土壌処理→入水前茎葉処理(選択性)→入水後湛水土壌処理の4回を基本とする(図1)。播種直後の茎葉処理剤は既発生夏雑草の生育ステージを確認して使用する。入水前はシハロホップブチルを含む茎葉処理剤を使用する。
  6. 不耕起乾田直播栽培は移植栽培に近い収量が得られる(表2)。作業時間は移植栽培の約6割に減少する(表3)。

成果の活用面・留意点
  1. 適用地帯は別に作成した適地図を参照する。
  2. 播種溝施肥は、播種機に施肥装置を備えている場合は簡単な機械改良で対応できる。
  3. 葉色が極端に淡い場合は穂肥時期に追肥を行う。
  4. 除草体系は一年生雑草中心のもので、多年生雑草の除草法は別途考慮する。特に畦畔付近の発生に注意する。
図表1 210673-1.gif
図表2 210673-2.gif
図表3 210673-3.gif
図表4 210673-4.gif
カテゴリ 肥料 病害虫 乾田直播 栽培体系 雑草 湿害 除草 除草剤 水稲 施肥 低コスト 土壌処理 播種 品種

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる