葉ネギのセル育苗におけるかん水法の改善

タイトル 葉ネギのセル育苗におけるかん水法の改善
担当機関 奈良県農業試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 前川寛之
黒住徹
発行年度 1998
要約 葉ネギのセル成型苗育苗において、セルトレイ下に不織布を敷き、一端を下垂させることで、セル間およびセル内の水分状態を良好に保つことができ、発芽不良および初期生育不良による欠株が減少する。
背景・ねらい  近年、葉ネギ栽培においてセル成型苗を利用した機械移植栽培技術が開発され、県内のネギ産地にも導入されている。しかし、夏期高温期の育苗において、発芽不良や初期生育不良が多発し、それによる育苗トレイ内の欠株がそのまま機械移植後の本圃での欠株となるため大きな問題となっている。
 欠株の一つの原因として、生産者の意識として、かん水ムラによる発芽や生育のバラツキを嫌うあまり、つい多かん水となってしまっていることが指摘されている。
 本試験では、比較的安価な資材を用い、葉ネギのセル成型苗育苗時の培地の水分状態を簡易に制御・平均化することにより、発芽および初期生育の安定化を図る。
成果の内容・特徴
  1. 不織布の端に下垂部を付けると、不織布なしの場合に比べ、セル内の水分含量は低く保たれる(図1)。
  2. 不織布に下垂部を付けない場合は、不織布のない場合に比べてセル内の水分含量は高く維持される(図2)。
  3. セルトレイの下に不織布を敷くことにより、セル表面の乾燥が一定時間後まで発生せず、その後急速に発生するので、セル間の水分状態を均一にできる(図3)。
  4. 下垂部を付けた不織布をセルトレイの下に敷くことで、生育初期の欠株率は、ほとんど抑制される(表1)。

成果の活用面・留意点
  1. セルトレイ下の不織布の一端に下垂部を付けて使用することにより、多目のかん水量でも培地内の水分状態を良好に保つことができる。
  2. 下垂部が15cm程度あるため、最低でも下垂部が地面に触れない程度のベンチアップが必要である。
  3. ベンチは多少の凹凸があっても、不織布と下垂部により水分状態が安定する。
  4. 長期間の育苗では、セル底面より出た根が不織布に絡み、セルトレイを取りにくくなることがあるので注意が必要である。
図表1 210714-1.gif
図表2 210714-2.gif
図表3 210714-3.gif
図表4 210714-4.gif
カテゴリ 育苗 乾燥 栽培技術 ねぎ 発芽不良

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