タイトル |
中山間地域における白ネギ稚苗移植夏どり栽培の初期保温による生産安定技術 |
担当機関 |
鳥取県園芸試験場 |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
亀田 修二
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発行年度 |
1998 |
要約 |
中山間地域の稚苗移植による夏どり白ネギ栽培では、定植後からパスライトをべたがけで40日間、または有孔ポリをトンネル被覆して30日間保温すると初期生育が促進され、保温しないものと比較して生育が早まり収量が増加する。
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背景・ねらい |
白ネギ省力栽培法として急速に普及している稚苗移植栽培法は、定植時期が低温期にあたる中山間地域の夏どり作型では、初期生育が緩慢となるため、慣行の大苗移植栽培と比較すると収穫期の遅れを招きやすく収量が不安定である。そこで、定植直後から一定期間被覆処理を行い初期生育の促進を図ることにより収量を安定させる。
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成果の内容・特徴 |
- 定植直後から保温資材で被覆すると初期生育及び活着が促進され、草丈及び茎径が増大する。被覆期間が長いほどその効果は高く、特に有孔ポリトンネルの生育促進効果が大きいが、被覆除去後の苗質はやや軟弱となる(図1)。
- 被覆処理により草丈の伸長及び茎の肥大が促進されることで総収量も増加する(図2)。
- 「吉蔵」は、葉鞘の太りや伸びが良く品質及び収量も優れることから本作型の適品種と認められる。「長悦」及び「彩輝」は被覆処理により分けつの発生が著しく増加する(図2)。
- パスライトべたがけでは40日程度、有孔ポリトンネルでは30日程度の被覆により肥大性が増し増収が期待できる(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 中山間地域における春植え夏どり作型を対象とする。
- 有孔ポリトンネルは、土壌の乾燥や高温障害により分けつがやや多くなるため、トンネル上部に約1m間隔で直径8cm程度の換気口を設ける。
- 稚苗育苗では育苗日数60~70日を基準に徒長や老化のない健苗定植を心がける。
- 被覆除去後の土寄せは、葉鞘の太さが6~8mmになってから行う。
- 初期生育の促進に伴い土寄せ作業が順調に行われると、収穫期は無処理区よりも2週間程度早まる。
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図表1 |
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図表2 |
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カテゴリ |
育苗
乾燥
高温対策
栽培技術
中山間地域
ねぎ
品種
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