毛管水耕栽培による葉ネギの品質向上技術

タイトル 毛管水耕栽培による葉ネギの品質向上技術
担当機関 和歌山県農林水産総合技術センター
研究期間 1996~1998
研究担当者 森下年起
神藤 宏
平田 滋
発行年度 1998
要約 毛管水耕は、湛液水耕に比べて葉ネギの品質が向上できる。水分制御は、草丈20~30cmの時期から、湛液槽水位を根面から1~2cm下げて行い、給液を60~120分間隔にすると葉色が濃く、葉先枯れの発生を少なくできる。
背景・ねらい  軟弱野菜の養液栽培は、そのほとんどが湛液水耕方式であり、土耕栽培に比べて品質が劣る等の問題がある。特に、葉ネギについては、葉色が淡い、葉が軟弱、日持ちが悪い等から市場価格が低迷している。そこで、葉ネギの高品質化のために、水分制御が可能な毛管水耕方式について栽培方法を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 毛管水耕装置は、市販の花きカーネーション用を一部改良し、中央湛液槽上面の空き面積を少なくして栽植本数を増加させ、ベッドを水平にして生育を揃える。生育途中から湛液槽水位を下げ水分を制御する(図1)。
  2. 7月まき栽培で、湛液槽水位を-1~-2cmにすると、生育が湛液水耕に比べてやや遅れるが、葉色が濃く品質の向上がみられ、葉先枯れも少なくなる。また、収穫後の重量減少、葉先の黄化は、毛管水耕が湛液水耕に比べて少なく日持ち性が向上する(表1)。
  3. 水位低下開始時期が草丈20~40cmの範囲では、葉ネギの生育、品質は差が小さい。生育後半の葉先枯れは、水位低下を草丈20~30cmから開始すると湛液水耕と同程度に少なくなる(表2)。
  4. 培養液の供給を60分~120分間隔に15分とすると、生育の抑制、葉先枯れの発生を少なくできる(表3)。

成果の活用面・留意点
  1. 湛液水耕に比べて、葉ネギの品質が向上し市場での高単価が期待できる。また、土耕栽培に比べて年間の作付が5作と多く、養液栽培における経営安定が期待できる。
  2. 生育を揃えるために、栽培ベッドの水平には特に注意する。
図表1 210723-1.gif
図表2 210723-2.gif
図表3 210723-3.gif
図表4 210723-4.gif
カテゴリ カーネーション 経営管理 水耕栽培 ねぎ 養液栽培

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