シクラメンの切り花としての利用技術

タイトル シクラメンの切り花としての利用技術
担当機関 京都府農業総合研究所
研究期間 1998~1998
研究担当者 土橋 豊
発行年度 1998
要約 切り花用品種には切り花専用品種の‘シュニットホイヤー’と鉢物用品種の‘ビクトリア’が適している。花茎基部切り戻し処理により花持ちが向上するが、‘シュニットホイヤー’は効果が低い。両品種とも密植に耐える特性が認められる。
背景・ねらい  わが国では切り花用シクラメン栽培は皆無に等しいのが現状である。ドイツでは切り花用シクラメンの人気が高く、ほぼ周年出荷されている。今後、わが国でもシクラメンが新しい切り花として受け入れられる可能性は高い。そこで、品種選定と切り花としての利用技術を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 40cm以上の切り花採花本数は、切り花専用品種‘シュニットホイヤー’と鉢物用品種‘ビクトリア’で多くなる(図1)。
  2. 採花後数日内に花茎の曲がる現象が確認されたが(表1)、これは水揚げが悪いことが原因と推測される。同現象には品種間差異があり、‘ホワイト・ウイズ・レッド・アイ’、‘レハール’は起こりにくが、‘シュニットホイヤー’と‘ビクトリア’は起こりやすい傾向が認められる。
  3. 花茎基部切り戻し処理により上記の現象の発現が抑制され、花持ちが向上し、‘ビクトリア’で効果が高い(表1)。
  4. コンテナ(外寸60×40×23㎝)栽培における採花本数は、コンテナ及び株当たりとも‘シュニットホイヤー’と‘ビクトリア’において、6株植えの方が4株植えよりも多い(図2)。また、両品種は6株植えの方が4株植えよりも塊茎直径は大きくなるか、ほぼ同等で、両品種とも密植に耐える特性のあることが示唆される(図3)。

成果の活用面・留意点
  1. ‘ビクトリア’は花茎基部切り戻し処理を行えば、採花10日後でも観賞できるが、‘シュニットホイヤー’は同処理を行っても、採花後、早い時期に花茎の曲がる現象が認められ、鮮度保持技術の確立が必要である。
  2. 鉢物シクラメン生産者においても、花茎の長い個体を選抜すれば、通常の鉢栽培で切り花用に転用することができ、経営の拡大が図れる。
  3. 2~3年株になると採花本数が増加するので、選抜個体が長期間利用できる。
図表1 210744-1.gif
図表2 210744-2.gif
図表3 210744-3.gif
図表4 210744-4.gif
カテゴリ 経営管理 シクラメン 出荷調整 鮮度保持技術 品種

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