タイトル |
パンジーの小型容器栽培における開花促進技術 |
担当機関 |
京都府農業総合研究所 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
末留 昇
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発行年度 |
1998 |
要約 |
パンジーの小型容器栽培では、従来の9㎝ポットより開花が遅れる傾向にあるが、エブアンドフローで給水すると、開花遅延が軽減できる。ポット栽培時にわい化剤処理した株は、出荷時のジベレリン10ppm処理で、定植後の開花数が増加する。
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背景・ねらい |
花壇用苗物では、生産量が増えるに従い、低価格化の傾向にある。その対策として、従来の9㎝ポットより小さな6㎝ポットなどを用いて、単位面積当たりの生産量を増やすことが考えられる。小型容器栽培の課題の一つとして、パンジーのポット栽培時、花壇定植後の開花促進技術について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 鉢上げ4週間後の地上部乾物重は、6㎝ポットでは9㎝ポットの約65%しかなく、明らかに小さくなる。開花はポットサイズが小さいほど遅れ、6㎝ポットの開花株率80%の到花日数は9㎝ポットより11日遅れる(表1)。
- エブアンドフローによる底面給水は、手かん水による頭上給水に比べると、いずれのポット サイズでも、開花が早まる傾向にある(図1)。
- 草姿改善のためのわい化剤処理では、パクロブトラゾール処理で開花抑制の程度は小さく、草姿改善ができる。ウニコナゾール処理では、わい化効果が強く、開花抑制が著しい(表2)。
- パクロブトラゾール処理をした株に、ジベレリン10ppmを花壇定植前(出荷時)に処理すると、ジベレリン無処理区に比べ、1月下旬までの開花数が増加する傾向にあり、特に6㎝深型ポットで多くなる。わい化効果の強かったウニコナゾール処理では、ジベレリンの効果は明らかでない(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- エブアンドフロー給水によって、かん水が省力化でき、さらに開花が促進できる。小型容器では過湿になりやすいので、従来よりかん水間隔を長くするなどの対策が必要である。
- わい化効果が強すぎると、ジベレリンの効果が期待できないため、ウニコナゾール処理は避ける。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
栽培技術
出荷調整
省力化
パンジー
わい化
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