夏秋茶葉の用途に応じた粉砕方法

タイトル 夏秋茶葉の用途に応じた粉砕方法
担当機関 京都府立茶業研究所
研究期間 1999~2000
研究担当者 上辻久利
瀬戸谷隆治
村上宏亮
牧英樹
和泉秀明
発行年度 1999
要約 石臼で粉砕した場合、粒度が細かく、従来のまっ茶を添加した食品に向くと考えられる。ボールミルはざらつきがみられるため舌ざわりの影響のない食品への着色剤としての添加、ピンミルは粒度がさらに粗く、香りも低いため、緑茶としての成分のみを利用する食品への添加が適当である。
背景・ねらい  中山間地域での利用が低下している夏秋期の茶葉原料(夏秋茶)の活用について、被覆した夏秋茶葉をてん茶機により作出し、その茶葉を異なる粉砕機を用い、粉砕した製品の品質を比較し、用途に応じた粉砕方法を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 二番茶期に1週間程度被覆をした原料(やぶきた)を製茶し、石臼で粉砕したものは、粒度が細かく、揃っている(図1)。
    測色値等は、まっ茶に近い値を示し色調も明るく、一番茶のまっ茶に近い芳香がある(表2)。
  2. ボールミルで粉砕したものは、粒度分布にピークが2つあり、やや不揃いな粒度となる(図1)。石臼で粉砕したものと比較して、鮮やかさが少なく、品質もざらつき、青臭味がある(表2)。
  3. ピンミルは、時間あたりの粉砕量は多いが、粒度が最も粗くなった(表1、図1)。測色値は、明度(L)、彩度(c)の値が他に比べ低く、明るさと鮮やかさに欠ける。また、苦渋味が強い(表2)。
  4. これらの結果から石臼で粉砕した場合、従来のまっ茶を添加した食品に向くと考えられる。ボールミルはざらつきがみられるため舌ざわりの影響のない食品への着色剤としての添加、ピンミルは粒度がさらに粗く、香りも低いため、緑茶としての成分のみを利用する食品への添加が適当である。
成果の活用面・留意点
  1. 粉末茶の利用用途に応じた粉砕機の選択が必要である。
  2. 石臼、ボールミルは粉砕能力が低いが細かい粒度が得られる。

図表1 210760-1.jpg
図表2 210760-2.jpg
図表3 210760-3.jpg
カテゴリ 中山間地域 てん茶

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