タイトル |
塩化第二鉄による凝集処理と黒ボク土カラム処理を併用した畜産排水の脱色 |
担当機関 |
大阪府立農林技術センター |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
崎元 道男
森 達摩
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発行年度 |
1999 |
要約 |
塩化第二鉄による凝集処理と土壌カラム処理を組み合わせた脱色システムは、カラムの目詰まりがなく、畜産排水の色度やリンを除去できる。
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背景・ねらい |
茶褐色の畜産排水は汚濁感が強く、周辺住民の苦情の対象となるため早急な対策が望まれている。そこで当所では、排水が着色する主な原因物質であるフミン質を黒ボク土によって吸着除去する方法について検討してきた。ところがこの方法は、土壌の目詰まりを起こしやすいことがわかったため、塩化第二鉄溶液を用いてフミン質を除去した後、土壌処理する脱色システムについて検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 活性汚泥処理した養豚排水(吸光度;0.234~0.689、COD;47.4~525.3mg/L、リン;45~190.6mg/Lの範囲)1m3 あたりに塩化第二鉄溶液(60%)を500mL添加してフミン質を凝集させ、その後、2%水酸化カルシウム溶液で排水を中和し、5分間放置して凝集物を沈殿させた。この処理によってフミン質が除去されるため、凝集処理をしなかった排水を処理する場合と比べ、土壌の目詰まりが抑制された(図1)。また、排水の色度も約 30%除去され(図2)、COD分も同様に30%程度減少した(図3)。
- 凝集処理水を黒ボク土カラムでさらに処理すると(黒ボク土 500g に対して排水 100mL/日処理)、排水の色度はほとんど除去でき(処理水の吸光度;0~0.034の範囲)、脱色率は 120 日目においても 90%を維持することがわかった(図2)。
- 排水中のリンは凝集処理によって 30%以上除去でき、土壌処理によってほぼ完全に除去できた(図4)。また、このシステムの COD 除去率は、120日目で 70%であった(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 凝集沈殿したフミン質は、堆肥化処理する。
- 塩化第二鉄処理にかかるコストは排水1m3 あたり40円程度であり、排水中の鉄イオン濃度は、排水基準の約1/10である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
コスト
土壌処理
豚
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