タイトル |
新技術導入によるミズナ・ミブナの経営設計 |
担当機関 |
京都府農業総合研究所 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
浦野 桂子
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発行年度 |
1999 |
要約 |
ミズナ・ミブナの物理的防除技術と移植栽培技術を組合わせた新しい周年栽培体系では、慣行体系より1作増えるため1a当たりの所得が28,565円向上する。さらに、世帯構成別の農業所得目標とそれを達成できる栽培面積を算出した。
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背景・ねらい |
ミズナ・ミブナ栽培において、新しい周年栽培体系の経営評価を行うとともに、農家の年齢に応じた世帯構成別の農業所得目標と、それを達成するための新技術を導入したミズナ・ミブナ栽培面積を算出する。
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成果の内容・特徴 |
- ミズナ・ミブナの直播栽培(慣行法)に、表1に示す新技術であるキスジノミハムシの物理的防除技術や秋冬期の移植栽培技術を組込んだ周年栽培体系(表2)では、移植栽培による在ほ期間短縮効果により年間作付回数が1作増え、抽だい回避が可能であることから、慣行体系(表3)に比べ所得が1a当たり年間28,565円向上する。
- 厚生省「国民生活基礎調査」等から担い手の年齢別に標準世帯を設定し、「個人別生活改善型農家標準家計費」をもとに、物価上昇指数や算入品目を考慮して農家標準家計費を算出し、表4に示す世帯構成別に農家標準家計費から農業所得目標を求めた。この所得目標は、生産農家の意向調査による所得目標に近く、経営設計に利用できると判断される。
- 農外収入がなくミズナ・ミブナ専作とした場合、所得目標の達成に必要なハウス面積と労働力(家族及び常時雇用)は、世帯類型Ⅰで42a(家族3人+雇用5.4人)、世帯類型Ⅱで49a(家族3人+雇用6.8人)、世帯類型Ⅲで35a(家族2人+雇用5.0人)、世帯類型Ⅳで20a(家族2人+雇用2人)となる。いずれもハウスの有効利用と雇用の積極的導入を図った経営となる。なお、世帯類型Ⅳ'では年金収入が100万円あれば、ハウス面積10a、家族労働力のみで所得目標が達成できる(表4)。
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成果の活用面・留意点 |
- この試算は現地実証試験に基づいている。目標達成できる面積と必要な労働力は、自家労働時間、雇用労賃等の条件が変われば変動する。
- この周年栽培体系は、年間所得確保を重視する農家向けの体系である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
経営管理
栽培技術
栽培体系
直播栽培
新技術導入
防除
みずな
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