ビワの整枝法と樹冠内相対日射量

タイトル ビワの整枝法と樹冠内相対日射量
担当機関 兵庫県立淡路農業技術センター
研究期間 1998~1998
研究担当者 斎藤隆雄
上谷安正
水田泰徳
発行年度 1999
要約 ビワの1段盃状形や2段一文字整枝は樹冠が小さく、樹冠内の日照条件は比較的優れる。一方、2段盃状形では相対日射量が20%以下の部分が多く、特に2段目の主枝グループの陰になる1段目で日射量が少ない。
背景・ねらい  ビワは、日照条件が花芽の形成や熟期、果実品質等に影響する。整枝、せん定法を検討するには、栽培管理の作業性だけでなく、収量や果実品質等も考慮する必要があるが、ビワの整枝法と樹冠内の日照条件の関係は明らかではない。そこで、簡易積算日射計フィルムを用いて、3種類の整枝法における樹冠内相対日射量を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 8年生「長崎早生」(加温ハウス)を供試樹とし、慣行整枝法の2段盃状形は主幹の高さ0.5mと2.0m、1段盃状形は高さ0.5m付近に各段4本程度の主枝を配置し、それらから亜主枝、側枝を伸ばす。また、2段一文字整枝は主幹の高さ0.5mと1.5m付近から各2本ずつの主枝を樹列方向に配置し、それらから側枝を出す。
  2. 主幹を中心とした東西、南北面に、垂直、水平方向とも0.5m間隔の方眼状に簡易積算日射計フィルム(大成化工製、Y-1W)をスライド用マウントにはさんで設置する。露光後、分光光度計により吸光度を測定し、退色率から日射量を推定する。
  3. 2段盃状形では、樹冠の下部、主幹の上部とその北側に相対日射量40%以下の部分が多く、また20%以下の部分も多い。一方、1段盃状形では樹冠内部に、2段一文字整枝では各段の主枝の下部に相対日射量40%以下の部分が多いが、いずれも20%以下の部分は2段盃状形と比べて少ない(図1)。
  4. 以上の結果から、1段盃状形や2段一文字整枝は、2段盃状形と比べて樹冠が小さいことから、樹冠内の日照条件は優れる。
成果の活用面・留意点
  1. 日照条件が優れる2段一文字整枝は、両盃状形と比べて栽植密度を高めることが可能である。実施にあたっては、日照条件等に留意して、栽植密度や間伐時期を決定する。
  2. ビワでは、相対照度が20%程度まで低下すると光合成速度が半減する。2段一文字整枝は今後もこの樹冠が維持されるので、2段盃状形との樹冠内の日照条件の差も大きくなると推察される。

図表1 210834-1.jpg
カテゴリ 栽培技術 びわ

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