半促成栽培ナスの主要害虫(アザミウマ、アブラムシ類)に対する天敵利用体系

タイトル 半促成栽培ナスの主要害虫(アザミウマ、アブラムシ類)に対する天敵利用体系
担当機関 兵庫県立中央農業技術センタ-農業試験場
研究期間 1998~1999
研究担当者 河野 哲
山下賢一
松本 功
足立年一
藤富正昭
発行年度 1999
要約 半促成ナスおけるミナミキイロアザミウマに対して、発生初期にククメリスカブリダニ、生育期にナミヒメハナカメムシを利用し、アブラムシ類には発生初期からナミテントウ2齢幼虫を利用する体系で、ナス栽培期間中両害虫の密度を抑制できる。
背景・ねらい  ナスの半促成栽培における主要害虫(アザミウマ、アブラムシ類)に対し、頻繁に薬剤散布が行われ、過酷な作業となり、健康阻害の要因となっている。また、農薬の連続使用は抵抗性害虫の発達により、安定生産に大きく影響を及ぼしている。そこで、ナスの主要害虫であるアザミウマ類、アブラムシ類に対し天敵利用体系を検討して、環境への負荷軽減を図る。
成果の内容・特徴
  1. 半促成ナスの定植時(3月上旬)にイミダクロプリド粒剤の植穴土壌混和により、1か月以上ミナミキイロアザミウマ、アブラムシ類の密度を抑制する(図1)。
  2. ミナミキイロアザミウマに対して4月上旬の発生初期にククメリスカブリダニ( 100 頭/株)を3回、5月中旬からナミヒメハナカメムシ(3頭/株)を2回放飼することにより、密度を抑制し、ナス果実の被害を軽減できる(図1)。
  3. アブラムシ類には5月上中旬の発生初期にナミテントウ2齢幼虫(5頭/株)放飼すると、アブラムシを食べ尽すので、高い防除効果が認められる(図2)。
  4. ナスの主要害虫に対し、この天敵利用体系が可能となり(表1)、農家慣行防除と比較して品質・収量とも同等で、この体系で3~4回の省農薬化が図れる。
成果の活用面・留意点
  1. アザミウマ、アブラムシ類の発生推移を把握することにより、他の栽培型、他作物で 利用できる。発生初期からの利用が大切である。
  2. 害虫の発生は年次変動するので、発生に応じた天敵利用が必要である。
  3. ハダニにはチリカブリダニ、マメハモグリバエにはイサエアヒメコバチ+ハモグリコ マユバチが利用できる。
  4. ヨトウムシ類やハダニ類などの異常発生時には、天敵に影響の少ない薬剤で臨機に防 除する必要がある。

図表1 210851-1.jpg
図表2 210851-2.jpg
図表3 210851-3.jpg
カテゴリ 病害虫 害虫 カメムシ 栽培技術 抵抗性 天敵利用 なす 農薬 防除 ミナミキイロアザミウマ 薬剤

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