ショウガのハウス栽培(砂地)における臭化メチル代替薬剤

タイトル ショウガのハウス栽培(砂地)における臭化メチル代替薬剤
担当機関 和歌山県農林水産総合技術センター
研究期間 1999~1999
研究担当者 吉本均
久田ゆかり
発行年度 1999
要約 砂地のショウガのハウス栽培における臭化メチル代替薬剤として、カーバムナトリウム塩液剤(原液として60リットル/10a、散布・土壌混和)は、根茎腐敗病及び雑草に対して高い防除効果がみられ有望である。
背景・ねらい  本県和歌山市の砂地地帯でショウガのハウス栽培が行われている。都市近郊地域で、ハウスと住宅地が隣接しているため、根茎腐敗病及び雑草防除対策として刺激臭の少ない臭化メチル剤による土壌消毒が全ショウガ栽培農家に普及している(平成10年アンケート調査)。そこで、平成17年の臭化メチル全廃に向け、ショウガ栽培における代替薬剤を緊急に検討する。ショウガ促成、半促成栽培では冬期(11~2月)にハウス内土壌消毒が行われるので、本試験は低温期、砂土におけるショウガ根茎腐敗病と雑草防除効果の両面を考慮して行う。
成果の内容・特徴
  1. ショウガ根茎腐敗病に対して、クロルピクリンくん蒸剤(99.5%液剤、NK-511テープ剤、MTF-961テープ剤)、カーバムナトリウム塩液剤(散布・土壌混和)は、臭化メチルと同等に発病を抑え、防除効果が高い(表1)。
  2. 雑草に対して、クロルピクリンくん蒸剤は概して殺草効果は低いが、そのうちNK-511テープ剤は効果がやや優れた。カーバムナトリウム塩液剤(散布・土壌混和)及びダゾメット微粒剤は臭化メチルと同等に雑草の発生を抑え、防除効果が高い(表2)。
  3. 以上のことから、砂土のショウガハウス栽培において、臭化メチル剤の代替として根茎腐敗病及び雑草防除効果の高いカーバムナトリウム塩液剤(散布・土壌混和)が、低コストで有望である。
成果の活用面・留意点
  1. カーバムナトリウム塩液剤処理時に適湿な土壌水分状態となるよう、事前に灌水を行う。
  2. 原液として60リットル/10aを土壌表面に均一に散布する。原液の希釈倍数は散布器具によって異なるが、作業性から3~10倍程度がよい。また、省力的な方法として、地上部に設置した灌水パイプで散布してもよいが、散布後速やかに土壌混和し、ポリまたはビニルフィルム被覆をする。作業時は防護具を着用すること。
  3. 10日以上経過後に被覆を除去し、ガス抜きを十分行う。
  4. 低温期処理のため地温が10℃以上確保できるよう保温対策を講ずる。

図表1 210852-1.jpg
図表2 210852-2.jpg
カテゴリ 病害虫 雑草 しょうが 低コスト 土壌消毒 防除 薬剤

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