水田裏作ハクサイでの根こぶ病罹病性品種の菌密度に応じた防除対策

タイトル 水田裏作ハクサイでの根こぶ病罹病性品種の菌密度に応じた防除対策
担当機関 和歌山県農林水産総合技術センター
研究期間 1999~1999
研究担当者 吉本 均
久田 ゆかり
橋本 崇
神藤 宏
林 恭弘
発行年度 1999
要約 水田裏作のハクサイ根こぶ病対策は、石灰窒素施用を基本に、菌密度が6×103 個/g土以下では育苗用土に炭酸カルシウム9%を添加した苗の利用が、6×104 ~6×105 個/g土は薬剤処理と石灰資材の局所施用をさらに追加した防除が必要である。
背景・ねらい  ハクサイ根こぶ病の汚染地域において、抵抗性品種の導入が困難な病原菌系統が存在する圃場や収穫期の拡大等で罹病性品種の栽培が必要な圃場では安定生産が問題となる。病原菌の系統判定や菌密度の推定方法が確立されているので、罹病性品種での菌密度に応じた防除対策を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 菌密度が104 ~107 個/g土の汚染土壌での土壌pHとハクサイ苗の発病調査では、石灰の種類にかかわらずpH7以上で発病を抑制するが、土壌菌密度107 個/g土で発病抑制効果は低下する(表1)。
  2. 菌密度6×103 ~104 個/g土の圃場では、石灰窒素160kg/10aの施用に用土に炭酸カルシウムを重量比で9%添加した苗(以下Ca苗)の利用で発病株率、発病度が抑制され、安定生産が可能である。フルアジナム40kg/10aの薬剤処理はCa苗の利用とほぼ同等の防除効果である(表2)。
  3. 菌密度6×105 個/g土の圃場では、薬剤処理と石灰窒素施用を基本に、Ca苗を利用すると防除効果は向上し、定植時に消石灰と苦土石灰を7:3に混合した石灰を溝状に施用する(37.5g/m)局所施用を併用すると収量、秀品率はさらに向上する(表3)。
  4. 以上のことから、菌密度104 個/g土以下の圃場では石灰窒素施用160kg/10aを基本にCa苗を使用する。菌密度104 ~105 個/g土ではCa苗の使用に薬剤処理と石灰資材の局所施用の併用を行うと安定生産が可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 石灰窒素は薬害を避けるため定植1週間前に施用する。また、石灰窒素の窒素成分を有効に活用できる施肥設計とする。
  2. 菌密度106 個/g土以上の圃場は罹病性品種の栽培を避ける。
  3. 防除対策は病原菌の系統を把握し、有効な抵抗性品種の選択を優先する。

図表1 210853-1.jpg
図表2 210853-2.jpg
図表3 210853-3.jpg
カテゴリ 病害虫 育苗 栽培技術 水田 施肥 抵抗性品種 はくさい 品種 防除 薬剤

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