内生細菌(Pseudomonas sp. HAI00377株)を用いたハクサイ根こぶ病の防除

タイトル 内生細菌(Pseudomonas sp. HAI00377株)を用いたハクサイ根こぶ病の防除
担当機関 兵庫県立中央農業技術センター
研究期間 1999~2003
研究担当者 岩本 豊
前川和正
相野公孝
発行年度 1999
要約 内生細菌 Pseudomonas sp. HAI00377株を培土に混和し、ハクサイ苗を育苗すると、ハクサイ根内に侵入し定着する。本苗は、ハクサイ根こぶ病に対して環境要因に左右されることなく高い発病抑制効果を示す。
背景・ねらい  ハクサイ産地において年々その作付け面積が減少しており、その最も大きな原因の一つとして根こぶ病の発生激化があげられる。産地の維持には本病の防除対策を確立することが不可欠である。さらに、生産現場では、環境負荷低減のために大量の薬剤をほ場に投入することが敬遠されている。そこで、内生細菌を用いた本病の生物的防除法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. キャベツ、レタス、トマトの根面・根内から蛍光性Pseudomonas を分離し、根こぶ病菌の根毛感染を高率に阻害するHAI00377株を選抜した。
  2. HAI00377株はハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、チンゲンサイ、レタスの根の内部に定着する能力を有する内生細菌である(図1)。
  3. バーミキュライトと赤玉土を2:1に混合し、HAI00377株を106 ~107 CFU/gの菌密度に混入した培土を、セルトレイ(200穴)に堅く充填してハクサイ種子を播種し、湿度100%、温度23℃に3日間置き、その後慣行育苗する。HAI00377株がハクサイ苗根内に侵入すると、葉色が濃くなり、草丈が低くなる現象が生じるが、定植後の生育は旺盛となる。(図2、3)。
  4. HAI00377株混入培土で育苗したハクサイ苗を根こぶ病汚染ほ場に定植すると、対照の化学農薬と同等の発病抑制効果を示す(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. HAI00377株は、高い根内内生能を有するため、本菌を混入した培土に播種するだけでハクサイ苗へ容易に接種することができる。
  2. 本菌の製剤化は、現在検討中である。

図表1 210861-1.jpg
図表2 210861-2.jpg
図表3 210861-3.jpg
カテゴリ 病害虫 育苗 環境負荷低減 キャベツ 栽培技術 生物的防除 チンゲンサイ トマト 農薬 はくさい 播種 ブロッコリー 防除 薬剤 レタス

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