クリの貯蔵害虫クリシギゾウムシ、クリミガの臭化メチル処理に替わる殺虫技術

タイトル クリの貯蔵害虫クリシギゾウムシ、クリミガの臭化メチル処理に替わる殺虫技術
担当機関 山口県農業試験場
研究期間 1999~2001
研究担当者 吉松敬祐
発行年度 1999
要約 クリの貯蔵害虫であるクリシギゾウムシやクリミガは、従来用いられていた臭化メチルによる処理に替わって、炭酸ガス処理及び低温処理によって殺虫・駆除することが可能である。
背景・ねらい  臭化メチルは、その環境に対する影響が懸念され、1992年モントリオ-ル議定書の前倒し実施により2005年をもって使用が全面禁止されることになっている。臭化メチル処理が行われてきたほとんどの作物病害虫に関しては、クロルピクリン等の代替農薬の開発や防除技術の確立が進み、臭化メチルからの切り替えが可能になっているが、クリシギゾウムシについては、これに替わる有効な殺虫・防除技術が確立されておらず、新たな殺虫技術の開発が望まれている。
成果の内容・特徴
  1. 濃度100%の炭酸ガスで8日間処理すると90%以上の殺虫率が得られる(表1)。
  2. 炭酸ガス処理の温度、圧力は処理効果に影響しない(表2)。
  3. 低温処理は-2~-3℃の温度で8日間貯蔵することにより90%以上の殺虫率が得られる(表3)。
  4. 炭酸ガス処理時の温度を-2℃とすれば、常温、3℃蔵に比較して、貯蔵後も果実の加工適性が優れる(表4)。
  5. 3℃で炭酸ガス殺虫処理を行った果実は、3℃の温度で60日の貯蔵が可能である。
  6. -2~-3℃の低温で殺虫処理を行い、その温度で引き続き貯蔵し、クリを観察した結果、3ヶ月間の貯蔵が可能である。
成果の活用面・留意点
  1. 炭酸ガス処理または低温処理を実施するには、プラスチックコンテナの中に低密度ポリエチレン(厚さ0.05mm)の袋を広げ、クリ20Kgに水分およそ60%のおが屑2Kgを保湿剤として混ぜて入れ、袋の口を畳み込む。 
  2. 既設の冷蔵庫で氷結温度が設定できないときは、炭酸ガスによる処理を選択する。
  3. 新たに冷蔵庫を設置する場合には、氷結温度が設定できる冷蔵庫とし、貯蔵を兼ねた処理を選択する。
  4. 炭酸ガス処理を行うためには、作業時の酸欠による事故を防ぐ対策が必要。

図表1 210890-1.jpg
図表2 210890-2.jpg
図表3 210890-3.jpg
図表4 210890-4.jpg
カテゴリ 病害虫 害虫 加工適性 くこ くり 農薬 防除

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