雨除けハウスにおける温熱作業環境改善のための遮光法

タイトル 雨除けハウスにおける温熱作業環境改善のための遮光法
担当機関 奈良県農業試験場
研究期間 1999~2000
研究担当者 黒住 徹
前川寛之
滝 憲治
発行年度 1999
要約 温熱環境改善のために、完全遮光で熱反射性の高い遮光資材を雨よけハウスの外側に被覆すると、無遮光に比べ、温熱指標WBGTを5℃近く下げることができ、屋外よりも1℃以上低くなる。
背景・ねらい  雨除けハウスは栽培とともに労働の場でもあり、とくに夏期に於ける暑さは許容限度を大きく超えることが多く、その温熱環境の改善が求められる。運動・作業における温熱環境の評価によく使用され、気温以外に放射熱・湿度・風などの要素も包含した指標であるWBGTによって資材と被覆法を評価する。
成果の内容・特徴
  1. 夏期の晴天日9時から15時における無遮光雨よけハウス(床面3.5m×8m、軒高1.5m、棟高2.5m)のWBGT(中央地上1.5m)は、日本産業衛生学会が定めた高温の許容基準「極軽作業:32.5℃」を上回る(図1)。
  2. 遮光資材はアルミ蒸着された熱反射性の高いものが効果が大きく、無遮光のハウスより5℃近く、屋外よりも1℃以上WBGTを低下させることができる。黒色の資材では効果は低く、アルミ粉末を混入した資材は黒色に近い(図2)。
  3. 日射をよく吸収する黒色などの資材では、遮光を内張りで行うとWBGTは外張りの場合よりも2℃程度高く、屋外のWBGTよりもさらに高くなる。一方、アルミ蒸着資材では内張りと外張りの差は0.5℃以下となる(図3)。
成果の活用面・留意点
  1. ハウスの一部を作業場として使用する場合や栽培圃場で一時的に作業を行う場合を想定したものである。
  2. アルミ蒸着資材を外張りにする場合は、剥離などを起こしにくいものを選択することが望ましい。

図表1 210907-1.jpg
図表2 210907-2.jpg
図表3 210907-3.jpg
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