タイトル |
パプリカの半促成ロックウ−ル栽培における補光育苗による増収技術 |
担当機関 |
京都府農業総合研究所 |
研究期間 |
1999~1999 |
研究担当者 |
三村 裕
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発行年度 |
1999 |
要約 |
パプリカ(大型完熟ピーマン)は鉢上げ後の苗をナトリウムランプ80μmol・㎡/secの光量子密度で4週間終日補光することにより、苗の生育が促進され、4月の初期収量及び7月までの総収量が増加する。
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背景・ねらい |
パプリカのハウス半促成栽培では、高温期の収穫が難しいため、収穫は7月下旬に終了する。また、開花後収穫までの期間が50~70日で長期を要するため、一作当たりの収穫期間が短く収量を上げにくい。そこで、補光育苗を行うことにより、育苗期間の短縮と苗の充実を図り、収穫を早めるとともに収量を高める。
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成果の内容・特徴 |
- 鉢上げ後の苗を12月下旬からナトリウムランプ(80μmol・㎡/secの光量子密度)を用いて4週間終日補光することにより、苗の生育が促進する。
- 補光処理により茎径、茎長ともに4割程度増加する。 葉面積は約2.2倍、地上部乾物重は約2.7倍となり、全体に大きな苗となる(表1)。
- 開花期は、分枝節で3日早くなり、2節目以降その差が広がり、4節目で8日、5節目では11日早くなる(表2)。
- 補光育苗は、着果させる4節目以降の開花が早まることにより、収穫初期の上果収量が増加し、総収穫節数も増加するため(表2)、総上果収量は無処理区より約25%多くなる(図1)。
- 10a当たり苗3,000本、ベッド面積120㎡の補光設備費は、100V使用の場合44万円であり、7年以上使用できる。電気代は4週間の終日補光で5万8千円となる。これに対し収量は10a当たり約1.6t増加するので、1作で電気代及び設備費以上の増収益となる。
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成果の活用面・留意点 |
- 気温管理は22~28℃とするが、補光処理を行うと葉面の温度上昇が考えられるので、トンネル内の自動換気が必要である。
- 分枝節から3節目までに着果させると一時的に芯止まりを起こし、その後の収穫が遅れるので摘花する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
育苗
ピーマン
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