タイトル |
スイカトンネル栽培におけるミツバチ交配 |
担当機関 |
鳥取県園芸試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
前田英博
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発行年度 |
1999 |
要約 |
スイカトンネル栽培において省力化の目的でミツバチ利用による交配を導入したところ、人工交配と比較して、着果率は同程度で、果実肥大はわずかに劣るが、糖度は高く、実用性は高かった。
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背景・ねらい |
スイカ栽培において、交配作業は、収量や品質に影響する重要な作業であるため、ハウス栽培やトンネル栽培では人工交配が行われている。この作業は、スイカの花の寿命が短いため午前中に行わなければならず、狭い場所で窮屈な姿勢を強いられ、栽培者には精神的にも肉体的にも大変な重労働となっている。そこで、他の品目で既に実用化されているミツバチを利用したスイカトンネル栽培の交配についての実用性を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- ミツバチ交配における着果率は天候によりやや不安定となるが、人工交配と比較してほぼ同程度で(表1)、果実肥大はわずかに劣るものの、糖度は同等以上で、実用性が認められた(表2)。
- スイカの交配にミツバチを利用することにより、交配作業時間は50%以下に省力化可能であった(表3)。
- トンネルの長さを50mとして試算すると、10a当たり6トンネルで、6巣箱必要となる。
5,320円(巣箱単価)×6(設置巣箱数)=31,950円 使い捨て巣箱の寿命は40~50日程度で、最低3回は使い回しできるので、30a以上に利用できる。したがって、ミツバチ導入経費は、10a当たり10,650円以下と安価である。
- ミツバチ出巣数は、天候が晴れの場合は朝から出巣数が多く、曇りや雨の場合は午前中の出巣数は低く、最大出巣数も晴れの日の半分以下であった(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 天候が雨天等で悪い場合にはミツバチの活動は鈍いので、人工交配を併用し着果安定に努める。
- 巣箱は1トンネルに1箱、巣門を陽の当たる側に向けてトンネル内に設置し、28~32℃を目標にトンネル内を管理し、多湿条件とならないようできるだけ換気に努める。
- 試験はトンネル栽培で実施したが、ハウス栽培にも利用可能である。
- 農薬にはミツバチの活動に影響を与える薬剤があるので、使用に当たっては注意する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
省力化
すいか
農薬
ミツバチ
薬剤
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