タイトル |
間伐材を利用したイチゴの高設ベッド |
担当機関 |
和歌山県農林水産総合技術センター農業試験場 |
研究期間 |
1999~2001 |
研究担当者 |
久保浩之
宮本 忍
神藤 宏
西岡 晋作
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発行年度 |
1999 |
要約 |
間伐材及び背板等を利用したイチゴの高設ベッドを構築し、オガクズバッグを座布団として利用するとピートバッグ培地の保温効果が見込める。
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背景・ねらい |
イチゴの土耕栽培においては、芽かき、葉かき作業や収穫に腰を屈めた姿勢での労働を強いられるため、作業者の労働負担が大きくその軽減が課題である。一方、市販の高設栽培装置は資材費が高く、より安価な高設ベッドの開発が望まれており、かつ生産性をたかめるため、培地温の確保が重要な要因の一つとなる。 これらのことから、イチゴ栽培の作業性の改善と低コスト化、生産性向上を目的として、地域で入手可能な間伐材等の木材のぬくもりを利用できる林業資源を活用した実用的な高設ベッドを開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 間伐材及び背板、オガクズバッグを利用した高設ベッドの基本構造は、設置ハウスの間口の幅、作業者の身長等により、規格は多少変動するが、ベッド幅が外成りで40cm程度、内成りで70cm程度とし、ベッドの高さは作業性を考慮して両ベッドとも90cm程度とする(図1)。
- 培養液の給液はイチゴの株元に設置した点滴チューブで行う。オガクズを用いた座布団方式なので、廃液はベッドの肩の部分を伝ってビニールの間を下に流れ、ベッドの下に掘った溝に排水される。したがって、ベッドの縦方向に一定の傾斜を設ける必要がなく、間伐材や木材の背板部分の利用が可能である。
- ベッドに腰(裾)カ-テンをした場合、無加温ハウスにおける最低培地温は2月13日で1.3℃、2月16日で1.4℃高く維持できる。最高培地温は明らかな差が認められない。
- オガクズの座布団の有無が培地温に及ぼす影響を調査した結果、オガクズを座布団代りとして利用した場合は培地温の低下が緩やかである(図2)。
- 無加温区における最高培地温はシ-ト区が最も高く、次いでオガクズ座布団敷設区で、発泡スチロ-ル区は最も低い。最低培地温はシ-ト区が最も低く、次いでオガクズ座布団敷設区で、発泡スチロ-ル区が最も高い(図3)。
- イチゴ木造高設ベッドの栽培装置の資材経費を明らかにするため、4連棟の972㎡(間口5.4m、奥行き45m)のハウスを想定し試算を行った結果、資材経費は約180万円である。
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成果の活用面・留意点 |
- 支柱は土に接触する部分の腐食を防ぐ対策を考慮する。
表1
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
いちご
かき
低コスト
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