集落協業経営体における水稲湛水直播栽培導入の経済効果発揮のための条件

タイトル 集落協業経営体における水稲湛水直播栽培導入の経済効果発揮のための条件
担当機関 滋賀県農業総合センター
研究期間 1996~2000
研究担当者 山田善彦
藤井吉隆
発行年度 2000
要約  集落協業経営体が水稲湛水直播栽培導入による経済効果を発揮するためには、収量水準の向上、販売単価の高い品種導入、集落外への経営規模を拡大する等の条件が必要となる。
背景・ねらい 湛水直播栽培(以下、湛直という)の集落協業経営体での経済効果を発揮するための条件について検討する。特に、集落協業経営体では移植栽培(以下、移植という)育苗作業の外部委託事例が多いため、移植育苗作業の外部委託程度(自家育苗、芽出し苗購入、硬化苗購入)に応じて分析を行う。
成果の内容・特徴
  1. 湛直導入の経済効果を、湛直の収益性が移植を上回る直接的効果と、湛直導入で省力化する労働力で規模拡大を図る間接的効果に分類し、前提条件(表1)に基づき営農モデルを試算し、移植と比較して検討したところ以下のとおりとなった。
  2. 直接的効果を湛直の収量、品種に着目し検討した。湛直の現状(湛直A:品種キヌヒカリ、移植対比7%収量減)では、硬化苗を購入する経営と比べた場合のみ僅かな経済効果を期待できる。キヌヒカリで移植同等収量が得られた場合(湛直B)は芽出苗を購入する経営でも経済効果が期待できる。また、コシヒカリで移植同等収量が得られた場合(湛直C)は、全ての育苗形態で経済効果が期待できる(図1)。このことから、今後は、収量の増加や販売単価の高い品種導入等の改善が求められる。
  3. 間接的効果を、出役労働者数を25~50%減少させた時の経営可能面積について検討した。出役労働者数が減少(現状12人/日→9人/日、7.5人/日、6人/日)しても、湛直では、県内の集落水田面積(40ha)を越える経営規模の拡大が可能となり、かつ、移植経営を上回る経済効果を期待できる(図2)。このことから、今後は、出役労働者を減らし、集落外への経営規模を拡大するための条件整備が求められる。

成果の活用面・留意点
  1. 分析には営農技術体系評価・計画システム「FAPS97」(南石 1998)を利用した。
  2. 本分析は集落協業経営に限定したものであり他の担い手に関してはこの限りではない。

図表1 210977-1.jpg
図表2 210977-2.jpg
図表3 210977-3.jpg
カテゴリ 育苗 規模拡大 経営管理 直播栽培 省力化 水田 水稲 品種

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