地形勾配別・作業法別の畦畔草刈実態と経費

タイトル 地形勾配別・作業法別の畦畔草刈実態と経費
担当機関 兵庫県立中央農業技術センター
研究期間 2000~2001
研究担当者 宮本誠
松本功
発行年度 2000
要約 畦畔等の除草作業は地形勾配が急で小区画ほど増加する。刈払機と自走二面草刈機の組合せは刈払機のみより3~5割、除草剤の全面散布は同じく約7割の省力化となる。水田面積(勾配1/50)が30ha前後になると、経費差はほとんどなくなる。
背景・ねらい  畦畔等の草刈りは、稲作のなかで肉体的な負担が最も大きく、傷害事故が最も多い作業である。実態を把握するため、県営圃場整備事業で、地形勾配が1/1300から1/30までの整備済み地域において、農家が草刈りを行っている畦畔等の面積を調査する。さらに、刈払機のみに比べて、刈払機と自走二面草刈機を組み合わせた場合と除草(抑草)剤を全面散布した場合の省力効果と経費を試算する。
成果の内容・特徴
  1. 畦畔等の面積は、地形勾配が急になるにしたがって、同じ地形勾配では圃場の区画が小さくなるにしたがって増加し、水田(水張り面積)1haに対して888m2 (勾配1/1300)~1,975m2 (1/30)を有している(表1)。
  2. 刈払機のみで除草した場合は水田1haに対して2.6~5.5時間/回を要している。そこに自走二面草刈機を組み合わせた場合の労働時間は、地形勾配が緩やかな地域は半減したが、急な地域では3割減にとどまる。急な地域ほど自走二面草刈機で刈り取れない面積が増えるからである。除草剤を全面散布した場合は、いずれの地域ともほぼ7割減となる(図1)。
  3. 除草経費は、地形勾配が急になるにしたがって除草面積が増えるのでそれに比例して高くなる。除草経費は作業面積が少ないほど、刈払機<自走二面草刈機組み合わせ<除草剤散布の順で高くなる。しかし、年間の除草面積が30ha前後の規模になると、いずれの地域においても、除草方式間の経費差はほとんどなくなる(図2)。

表2 [具体的データ] 
成果の活用面・留意点
  1. 除草剤の連用は植生の単純化や裸地化による畦畔の崩壊が危惧される。裸地化等によって畦畔が傷んだ場合は、その補修に新たな費用の発生を招く。

図表1 210978-1.jpg
図表2 210978-2.jpg
図表3 210978-3.jpg
図表4 210978-4.jpg
カテゴリ 病害虫 省力化 除草 除草剤 水田

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