選択型コンジョイント分析による軽作業化技術の多面的経営評価

タイトル 選択型コンジョイント分析による軽作業化技術の多面的経営評価
担当機関 奈良県農業技術センター
研究期間 2000~2000
研究担当者 仲 照史
藤本 高志
発行年度 2000
要約 軽作業化農業技術の多面的経営評価手法を開発した。イチゴの高設栽培技術を事例とし、労働快適化やリスク軽減がいくらの収益増加に相当し、いくらの投資価値をもつかを、選択型コンジョイント分析により農家属性別に評価した。
背景・ねらい  イチゴ高設栽培は作業姿勢改善効果が高く、普及が始まっている。しかし労働時間削減や収益増加の効果は小さく、従来の評価手法では妥当な技術評価ができない。そこで農家の享受する効用を評価するための手法の開発と、その適用により中間評価を行う。
成果の内容・特徴
  1. 評価手法は以下のとおりである。農業技術を、リスク(収量変動)・投資額・収益性・快適性(作業形態)の4属性を持つ商品と見立てる。各属性に3水準を設け(表1)それらを組み合わせた仮想的な商品(技術)を2つずつ提示し、対象農家にいずれかの選択を求める(図1)。例えば技術Bを技術Aと比較すれば、リスクと収益性は技術Aと同じだが、投資額は100万円大きく作業姿勢が改善される。ここで技術Bが選択されるならば100万円余計に投資しても、作業姿勢が改善された方が農家の効用は高いと見る。同様の質問を繰り返すことで、快適性のために払っても良いと考える投資額など技術選択基準を推定できる。調査対象は奈良県内のイチゴ農家59名である。
  2. 評価結果は以下のとおりである。リスクと収益性が同じならば、立ち作業の快適性は159万円までの投資価値があり、48.1万円の収益増加に匹敵する。農家属性別では出荷規模の大きい農家、専作経営、若年農業者に、より高い評価を受けている(表2)。
  3. 収量変動の1割減少は、67.8万円の投資価値があり、20.6万円の収益増加に匹敵する。農家属性別では出荷規模の大きい農家、複合経営、高齢農業者ほど 収量変動に関わるリスクに対して回避的である(表2)。
  4. 収益増加を投資の回収原資として回収期間を見ると3.30年である。農家属性別では出荷規模の小さい農家、高齢農業者ほど短くなる(表2)。

成果の活用面・留意点
     本手法の利用により、労働快適化やリスク改善が農家効用におよぼす影響を、収益性や投資額との代替関係により総合的に評価できる。農家属性と組み合わせると、農家ニーズに基づいた有効な中間評価手法となり、効率的な開発目標を設定できる

図表1 210983-1.jpg
図表2 210983-2.jpg
図表3 210983-3.jpg
カテゴリ いちご 経営管理 栽培技術 出荷調整

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