タイトル |
ナシ「ゴールドニ十世紀」若木の新梢誘引による大果生産技術 |
担当機関 |
鳥取県園芸試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
井上耕介
吉田 亮
村田謙司
池田隆政
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発行年度 |
2000 |
要約 |
「ゴールド二十世紀」若木の新梢誘引を7月上旬(半数の新梢が伸長を停止した時期)に行うことにより、果実の肥大促進が可能となる。
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背景・ねらい |
「ゴールド二十世紀」の若木では、主枝や側枝の途中から強大な徒長枝が発生しやすく、果実の肥大が劣り、変形果も発生しやすい。この対策として、7月上旬の新梢誘引による新梢の肥大抑制と果実肥大促進の効果について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 誘引の方法は、主枝や側枝上に発生した50cm以上伸びた新梢を斜め(45度~水平)に倒して固定する(図1)。特に、主幹に近い位置から発生する強大な徒長枝は必ず誘引する。自然に斜めに伸びた新梢はそのままでよい。また、主枝や側枝の先端部の新梢は誘引しない。
- 処理時期は、ほぼ半数の新梢が伸長を停止する7月上旬が適期である。
- 誘引により、新梢の肥大が抑制され、1本当たりの枝重が6~7割程度となる(図3,表1)。これは新梢先端部の肥大が抑制され、先細りの枝となるためである。
- 収穫果実は、平均果重が8~9%増加し、大玉生産、増収が可能となる(図2)。
- 新梢を固定する位置は棚線や側枝とするが、適当な誘引場所がない場合は新梢同士を引き寄せて結束する。固定、結束には、ブドウの新梢誘引に使用するテープ式の結束機を利用すると能率的である(樹冠占有面積率80%の園で、4.0hrs/10aの所要時間)。
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成果の活用面・留意点 |
- 結果樹齢に達した「ゴールド二十世紀」の生産安定技術として広く適用できる。
- 新梢伸長の停止時期は、栽培地、土質、施肥等によって変わる可能性があるので、園地の状況に応じて処理時期を判断する。特に、新梢の多くが伸長中の時期に処理を行うと、変形果の発生を助長する可能性があるので注意する。
- 本技術の適用以前に、添え竹による主枝先端の伸長促進や弱せん定等、若木の基本的な栽培管理を徹底し、むやみに徒長枝を立たせない栽培管理に努める。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
栽培技術
施肥
ぶどう
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