イチジク「蓬莱柿」の早期摘心処理による収穫ピークの分散

タイトル イチジク「蓬莱柿」の早期摘心処理による収穫ピークの分散
担当機関 広島県立農業技術センター
研究期間 1999~1999
研究担当者 加納徹治
新田浩通
三善正道
田坂秀雄
大宮淳優
金藤祐治
山田一成
発行年度 2000
要約 露地栽培のイチジク「蓬莱柿」の新梢に早期摘心処理をすることにより、基枝への着果が早まり副梢への着果が遅延するため、収穫ピークを分散することができる。
背景・ねらい 広島県におけるイチジク「蓬莱柿」は、ほとんどが露地栽培のため、9月上旬から中旬にかけて収穫のピークを迎える。ピーク時には、収穫と出荷調整の労力が集中し、生産者の労働負担が激増するとともに、販売単価も急激に低下する。このため、出荷時期を分散させる技術の確立が望まれている。
そこで、収穫時期のピークを分散するために新梢への早期摘心処理技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 露地栽培の開心自然形2本主枝「蓬莱柿」で、早期摘心の4節摘心区は第5葉が展葉しかけた時点で摘心し、8節摘心区は第9葉が展葉しかけた時点で摘心する。両摘心ともその後伸長してきた副梢の先端1本のみを残し、基枝との合計節数が慣行の対照区と同じ12節となる様に再摘心を行う(図1)。なお、1新梢当たりの着果数は12果前後となる(データ省略)。
  2. 4節摘心区の収穫時期のピークは8月中旬となり、その後平準化されるため12節摘心区に対して大幅にピークが分散される。一方、8節摘心区の収穫時期のピークは8月下旬から9月中旬となり、ややなだらかになる(図2)。
  3. 高値販売が期待できる8月下旬までの収穫率は、対照の12節摘心区と比較して、4節摘心区で約23%、8節摘心区で約8%増加する(図2)。
  4. 12節摘心区が収穫ピークとなる9月上~中旬の収穫率は約65%であるのに対し、4節摘心区は約23%、8節摘心区は約49%となる(図2)。累積収穫果数は4節摘心区と8節摘心区がやや少なくなる(データ省略)。
  5. 果実形質は、4節摘心区と8節摘心区の可溶性固形物含量、果皮色が12節摘心区に比べやや低下するが、果実重は同等かやや重い値を示す(表1)。
  6. 以上の結果から、4節摘心区および8節摘心区は、果実形質の著しい低下を生じることなく収穫労力の分散が可能である。特に、4節摘心区では大幅な収穫時期のピーク分散を図れるとともに、高値販売に有利な出荷時期のピークの前進化が期待できる。
成果の活用面・留意点
  1. 連年処理の影響や、樹勢や施肥方法との関連についても検討する必要がある。
図表1 210997-1.jpg
図表2 210997-2.jpg
図表3 210997-3.jpg
カテゴリ いちじく 出荷調整 施肥

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