タイトル |
中多雪平坦地域におけるグラウンドカバープランツの畦畔植栽による斑点米低減技術 |
担当機関 |
滋賀県農業総合センター |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
寺本憲之
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発行年度 |
2000 |
要約 |
畦畔のグラウンドカバープランツ植栽は、雑草の発生抑制効果の他、田園風景の修景効果があるが、さらに、斑点米カメムシ類の発生抑制効果もあり、同植栽圃場での斑点米混入率が低減する。中多雪平坦地域ではアジュガ植栽が適する。
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背景・ねらい |
水田畦畔へのグラウンドカバープランツ(GCP)植栽は、雑草管理の省力化、省農薬化、田園風景の修景等の効果があり、広域的な普及が望まれている。一方、近年、水稲の斑点米カメムシ類による被害が急増しており、加害時期が水稲生育後期であるため、省農薬で省力的な防除技術の確立が期待されている。そこで、中多雪平坦地域におけるGCP畦畔植栽による斑点米カメムシ類の発生抑制と斑点米低減効果を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 稲穂への斑点米カメムシ類の寄生は、畦畔イネ科雑草の有穂期間と水稲の出穂期間との重複期間が長いほど多くなる(数値略)。
- 斑点米カメムシ類のホソハリカメムシはGCP6草種(アークトセカ,アジュガ,マツバギク,シバザクラ,ヘデラ,リュウノヒゲ)では成育できない(表1)。
- 野外での斑点米カメムシ類のGCP6草種への寄生は認められない(数値略)。
- 畦畔にGCPが植栽された圃場では、イネ科雑草の生育が抑えられるために斑点米カメムシ類の発生が抑制され、斑点米混入率が低減する(図1)。
- 中多雪平坦地域でのGCP植栽適草種はアジュガである(表2)。
- 以上の結果から、中多雪平坦地では水田畦畔にアジュガを植栽すれば、斑点米混入率が低減する。
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成果の活用面・留意点 |
- GCP移植後から繁茂期までの雑草管理を徹底する。本成果はGCP植栽による水田畦畔雑草管理推進のための補助資料として活用する。
- アジュガの親株から出たランナーを節ごとに切断して、節から根が2cm以上伸びた生育のよいものを選定してポットまたは地床に植え付けて増殖させる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
アジュガ
カメムシ
雑草
省力化
水田
農薬
斑点米
斑点米カメムシ
ヘデラ
防除
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