タイトル |
PGPRを利用したトウガラシの初期収量増収技術 |
担当機関 |
京都府農業総合研究所 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
安川博之
吉川正巳
松本静治
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発行年度 |
2000 |
要約 |
トウガラシ根面から分離、検索したPGPRであるPseudomonas putida CA21株を育苗時に接種したトウガラシ苗を無加温ハウスに定植すると、収穫開始から約1か月間の初期収量(累計)が約20%増収する。
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背景・ねらい |
各種植物の根に定着して生育促進効果を示すPGPR(plant growth-promoting rhizobacteria:植物生育促進根圏細菌)を利用し、京都府特産の伏見トウガラシのハウス栽培における初期収量増収を図ることを目的として、トウガラシに対する生育促進機能を有するPGPRの検索およびその利用法の開発を行う。
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成果の内容・特徴 |
- トウガラシ等のナス科野菜の根面から分離した蛍光性Pseudomonas 属細菌約600菌株の中から、トウガラシ苗に対して生育促進効果を示すPseudomonas putida CA21株(トウガラシ根面由来)を分離、検索した(図1、表1)。
- CA21株はピーマン、ナスおよびトマトに対してもトウガラシと同等の生育促進効果を示す(表1)。
- CA21株の振とう培養菌体の滅菌水懸濁液(約108 cfu/mL)にトウガラシ種子を1時間浸漬した後、128穴のセルトレイあるいは深さ5cm程度の野菜用育苗箱(培土:メトロミックス)に播種して約1か月間育苗し、さらに、直径7.5cmのビニルポット(培土:プロソイル)に鉢上げして約2か月間育苗することによって効率的に接種苗が得られる。
- CA21株を接種した伏見トウガラシ苗(品種:伏見甘長とうがらし)を4月中、下旬に無加温ハウスに定植すると、収穫開始後4~6週間の初期収量(累計)が対照(無接種)に対して20%前後増収する(表2)。
- 収穫開始後4週間のトウガラシの生育量、着花率は接種苗、対照ともほぼ同程度であるが、接種苗は着花後の花落ちが対照より減少し、着果率が増加する(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- CA21株およびその利用法については、平成11年6月11日に京都府が特許取得した(特許第2939467号)。
- 民間企業との共同研究によって、CA21株の水和剤型製剤の試作とその効果確認を既に終えており、市販への見通しを得ている。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育苗
栽培技術
とうがらし
トマト
なす
播種
ピーマン
品種
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