タイトル |
Arbuscular 菌根菌との混合接種によるPGPRのトウガラシに対する接種効果の増強 |
担当機関 |
京都府農業総合研究所 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
吉川正巳
松本静治
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発行年度 |
2000 |
要約 |
ナス科野菜に対して生育促進効果を示す特定のPGPR菌株とArbuscular菌根菌を播種時に混合接種すると、ポットから圃場レベルまでPGPRの定着に大きく影響を及ぼすことなくPGPRのトウガラシに対する生育促進効果が増強される。
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背景・ねらい |
Arbuscular菌根菌(以下AMF)と混合接種することによってPGPRがトウガラシに対して示す生育促進効果の増強の可能性を検討するとともに、混合接種時における両菌のトウガラシ根における定着菌数から見た生育促進効果増強現象の様相を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- トウガラシに対して生育促進効果を示すPGPRとAMF(Gigaspora margarita ;セラキンコン、以下すべて同種)を播種時に混合接種すると、AMFとPGPR菌株との組み合わせによって、PGPR単独接種の場合と比べてトウガラシに対する生育促進効果が増強する場合、減少する場合および変化がない場合がある(表1)。
- 生育促進効果が増強される組み合わせのPGPR菌株(Pseudomonas putida CA21株)とAMFの混合接種区(以下の混合接種区はすべてこの組み合わせ)おいては、圃場レベルでも生育促進効果の増強現象は持続される(表2)。
- ポットレベルでは、混合接種区におけるトウガラシ根内でのCA21株の定着菌数は、接種後1~2週間はCA21株単独接種区よりやや低く推移し、3週間以降は同程度の定着菌数になる。根面では接種後1週間目以降、CA21株単独接種区、混合接種区とも同程度の定着菌数で推移する(図1)。
- 圃場に定植後は、混合接種区とCA21株単独接種区のCA21株の定着菌数は、根面、根内どちらも同程度の菌数で推移する(図1)。
- 混合接種区におけるAMFの感染率は、ポットレベルではAMF単独接種区より低く推移するが、圃場定植後は混合接種区の感染率が上昇し、定植後6週間目以降は混合接種区とAMF単独接種区は同程度の感染率で推移する(図2)。
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成果の活用面・留意点 |
- PGPRあるいはAMFが生育促進効果以外に病害発病抑制機能等の有用機能を有する場合は、混合接種がその機能発現に及ぼす影響を明らかにしておく必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
栽培技術
とうがらし
なす
播種
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