分光放射計を活用した水稲の生育量および窒素栄養状態の計測

タイトル 分光放射計を活用した水稲の生育量および窒素栄養状態の計測
担当機関 山口県農業試験場
研究期間 2000~2001
研究担当者 :徳永哲夫
久保喜昭
発行年度 2000
要約 光ファイバーを装備した分光放射計を使用し、穂ばらみ期から穂揃い期の水稲群落の直上60㎝以上で計測した相対反射スペクトルの微分データから、水稲窒素含量および乾物重が推定でき、籾数及び玄米窒素濃度を予測できる。
背景・ねらい  良食味米を生産するためには、水稲生育に合わせた適切な栽培管理が不可欠であり、水稲の栄養診断による生育制御技術の開発が進められている。そこで、光ファイバーを使用した分光放射計を応用して、太陽光を光源とした水稲群落の連続した吸光スペクトル(300~1000nm, 2nm間隔)を瞬時に計測し、隔測により稲体窒素濃度および乾物重を推定し、同時に収穫時の籾数や玄米窒素濃度を予測する。
成果の内容・特徴
  1. 冷却式のCCD付きフォトダイオードアレイセンサを装備した瞬間測光システムMCPD3000(大塚電子)により、太陽光を光源とし、水稲群落の白色板に対する相対吸光スペクトルを測定する。群落の上面から60cm以上の高さの測定値は、微分することにより変動が小さくなり、また、太陽高度や雲の状態に左右されない(図1,図2)。
  2. 穂ばらみ期のヒノヒカリ、穂ぞろい期のコシヒカリ、晴るるおよびひとめぼれの稲体の窒素濃度は、二次微分スペクトルの重回帰により推定できる (標準誤差,0.06%)(図3)。
  3. 穂ばらみ期の一次微分スペクトルの重回帰により、乾物重が推定でき(72.1gm-2 )、収穫時の籾数(1.6千粒m-2 )および玄米窒素濃度(0.02%)を予測できる(図4)。

成果の活用面・留意点
  1. 実用化するためには、年次を重ねて、推定精度を高める必要がある。

図表1 211042-1.jpg
図表2 211042-2.jpg
図表3 211042-3.jpg
図表4 211042-4.jpg
カテゴリ 肥料 栄養診断 栽培技術 水稲 良食味

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