タイトル |
水稲乳苗疎植栽培における育苗箱全量施肥法 |
担当機関 |
京都府丹後農業研究所 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
岡井仁志
河瀬弘一
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発行年度 |
2000 |
要約 |
「コシヒカリ」の乳苗疎植栽培において育苗箱全量施肥を行った場合、慣行施肥法に比べて25~30%の減肥で約95%の収量が確保でき、白米蛋白質含有率が低くなるので、省力的な良食味栽培法として実用可能である。
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背景・ねらい |
育苗期間の短縮による省力化が可能な「コシヒカリ」の乳苗疎植栽培と施肥労力の軽減が可能で、かつほ場排水による環境負荷が少ない育苗箱全量施肥技術を組み合せることにより、より省力的な良食味栽培技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 「コシヒカリ」の乳苗疎植栽培(15.2株/m2 )において、育苗箱全量施肥栽培は25~30%減肥で慣行施肥の95%程度の収量が確保できる(表1)。
- 育苗箱全量施肥栽培では、登熟期間中のSPAD葉色値が慣行施肥よりも低く推移するので(図1)、精玄米千粒重はやや小さいものの、白米蛋白質含有率は低い(表1)。
- 乳苗疎植栽培における育苗箱全量施肥は、根の肥料粒保持力が弱いために機械移植時に肥料の約15~25%が土中に入らず土壌表面に残るが、生育、収量に影響はない(表1、表2)。
- 播種量を厚播(乾籾250g/箱)とすると、標播(乾籾200g/箱)の場合に比べて根の肥料保持力が向上し表面に残る肥料の割合は減少するが、やや太植えとなり播種量による収量の差はほとんどない(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
- 育苗箱全量施肥を行う場合には、通常の乳苗栽培より薄い育苗マット(厚さ10~13㎜)を使用する。
- 床土用ならし板を用いて育苗マットの上に直接肥料を均平に施肥すると、培土を使用する場合に比べて手作業による育苗箱への施肥が容易である。
- 高温育苗の場合に苗の白化が生じる場合があるが、移植後回復し、生育にはほとんど影響がない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
育苗
栽培技術
省力化
水稲
施肥
播種
良食味
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