効果の長い除草剤と除草効果の持続性検定による芝草の雑草防除技術

タイトル 効果の長い除草剤と除草効果の持続性検定による芝草の雑草防除技術
担当機関 兵庫県立中央農業技術センタ-農業試験場
研究期間 2000~2000
研究担当者 大西忠男
発行年度 2000
要約 芝地において秋期のスズメノカタビラの発生前にジチオピル(ディクトラン)乳剤、プロジアミン(クサブロック)水和剤、ペンディメタリン(ウェイアップ)フロアブルなどの効果の持続性が長い除草剤を散布し、翌春に除草剤の残効性の検定で効果の持続が認められれば、メヒシバ類も防除できる。
背景・ねらい  ゴルフ場の農薬使用量の削減技術の開発を行ってきた。現在、芝地の雑草防除は、雑草発生時期である春期と秋期の2回、雑草発生前に土壌処理型除草剤を散布する方法が広く普及している。近年では、効果の持続性が長い除草剤が開発された。そこで、除草剤の使用量を削減するため、この除草剤を秋期に散布し、春期の除草剤散布前に除草剤残効性の検定を行って、残効が認められれば春期の除草剤を散布しない年1回の土壌処理型除草剤の雑草防除技術を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 1996年の秋期の1回処理で実用的な効果が認められた薬剤と散布量は、ジチオピル(ディクトラン)乳剤0.15、0.2、0.3ml/m2 、プロジアミン(クサブロック)水和剤0.16、0.2g/m2 、ペンディメタリンフ(ウェイアップ)ロアブル0.6、0.9g/m2 である(図1)。なお、本結果は1997~1999年の3か年試験でも同様である。
  2. 除草剤の残効性の検定方法は、ホールカッターなどで芝生を深さ約10cm程度までを切り取り、縦切りにした切断面に「ベントグラス」の種子を播種し、除草剤の処理層に当たる芝の地表面に近い部分の発芽、発根状況により効果の持続性を評価する(図2)。残効性の検定時期は、春期のメヒシバ類の発生前の3月下旬が適当である。
  3. 春期に芝地のサッチを除去する更新作業を行っても残効性は持続する。

成果の活用面・留意点
  1. 本技術はゴルフ場芝地の減農薬化を目指して開発し、県下のゴルフ場で広く普及している。平成11年の1ゴルフ場当たりの除草剤使用量は、平成63年対比で53%まで減少した。
  2. ゴルフ場の芝地をはじめ公園などの芝地に活用ができる。
  3. 秋期の除草剤の処理時期が早すぎたり、暖冬などで残効が切れ、春期の残効性の検定で残効が認められなかった場合は、除草剤を散布する。
  4. 本試験に供試した薬剤以外の効果の持続性が長い除草剤の効果の検討が必要である。
  5. 秋期処理時に既発生の広葉雑草や春期に多く発生するアレチノギク類の発生条件下では別途の除草剤処理が必要である。

図表1 211052-1.jpg
図表2 211052-2.jpg
カテゴリ 病害虫 雑草 除草 除草剤 土壌処理 農薬 播種 防除 薬剤

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